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U-17W杯、日本初の4強へ第2関門。
次戦メキシコの警戒人物と弱点は?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2019/11/05 11:40
セネガル戦を1-0で首位突破したU-17日本代表。メキシコも難敵とはいえ、スペインを回避できたのは大きい。
現地メディアは日本の攻撃を……。
膠着状態が続いた後半、日本は西川を入れて勝負に出る。藤田譲瑠チマ(東京Vユース)からの縦パスをCBの間で受けた西川が絶妙のタッチで抜け出し、GKの体勢を見極めてニアサイドを破った。その後は、チーム全体が守備の意識を高め、セネガルの反撃を封じて勝ち切った。
現地ではセネガル戦はどう評価されたか。地元紙は「個人技のセネガルと組織の日本、という対照的なスタイルのチームの対戦。日本が苦しみながらもエース西川の得点で勝利を収めた」と論評した。
また地元テレビの解説者は、「セネガルの攻撃にはカウンター、ドリブル突破、サイド攻撃と多くのオプションがあったが、日本はショートパスをつなぐものの変化に乏しい。攻撃のレパートリーはセネガルの方が多かった」と、攻撃面について言及した。
最終ライン、中盤の守備が安定。
とはいえ、混戦が予想されたGSで日本は2勝1分、得点4で失点0という成績を残したのは誇っていいだろう。
最大の強みは、強固な守備である。GK鈴木彩艶と最終ラインの半田、鈴木海らとの連携が試合を追うごとに向上し、加えてセネガル戦で村上が奮闘した。中盤の守備も安定しており、藤田は攻撃の起点としても貢献した。
一方、攻撃陣は西川と若月が好調だが、唐山がまだ点取り屋としての本領を発揮できていない。中野桂もプレー内容自体は悪くないが、ゴール、アシストという結果に結びつかない。パスの精度をさらに高め、サイドをもっと使い、カウンターも含めた多彩な攻撃で相手守備陣をこじ開ける工夫が必要となる。