育成年代で試合経験を得る重要性。

　過去のこの大会における日本の足取りは、日本のフットボールの歴史と深く重なり合う。

　当初はアジア予選を勝ち抜くことすらできず、今回を含む18大会で本大会に出場したのは9回。そのうちGSを突破したのは4回で、ベスト8が2回。GSを首位で突破したのは、これが3度目だ。

　フットボールの根幹は、選手育成にある。

　ブラジル、アルゼンチン、フランス、スペインなどが長く世界の強豪国としての地位を保っていられるのは、優れた選手を継続して育成しているから。選手育成の成果を競うこの大会で日本が好成績を挙げ、選手に高いレベルでの試合経験を与えて成長を促すことは、近未来の日本のフットボールにとって本当に重要だ。

　これまでの苦難の歴史を思うと、GSを首位で突破したのは快挙と言っていい。とはいえ、これで満足するわけにはいかない。

　日本は、ラウンド・オブ16でメキシコを下せばベスト8入りする。そして、アンゴラと韓国の勝者を倒せば、史上初のベスト4に到達する。そこは、世界の名だたる強豪国しか上がることを許されない夢のステージである。

　連戦で疲労がたまっているだろうが、それは相手も同様だ。いや、メキシコはGSから3戦連続の中2日の試合で、中3日の日本よりも条件が厳しい。

　ここからが、本当の勝負だ。メキシコ戦で、個人として、またチームとして、ぜひとも最高のパフォーマンスを見せてもらいたい。