球道雑記BACK NUMBER
来年もドラフト候補がいる日体大。
辻コーチが築いた投手王国っぷり。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2019/10/30 11:30
ヤクルトにドラフト2位指名を受けた吉田大喜。先輩の松本航(西武)、東妻勇輔(ロッテ)に続く活躍を見せることはできるか。
伸びない練習を見極める。
辻は練習の役割、指導者の役目についてこう考えている。
「みんな野球が好きなんで勝手に練習はしますから、『練習をする』ということは伸びるということです。ただ、伸びない練習をしているのを見極めるのも指導者には大切なことだと思うんです」
日体大では先輩後輩の垣根を越えて選手同士が意見を交わし、それぞれの練習法を取り入れたりもする。自由闊達な雰囲気をうれしく眺めつつ、それでも目配りは忘れてはいけない。
「自分の長所や軸があった上でアレンジするのはまだいい。でも、他の選手で成果が出たからと言って、それを正しいと思ってそのまま取り入れてしまうのは違う。そこを間違えないように止めるのが指導者の役目なんじゃないかと思います。取捨選択の判断が大切になってくるので、そこは本人と話をしながらです。そのことは常に念頭においてやっていますね」
プロ、そして社会人、様々な方面から高い信頼を受けている理由がちょっぴり分かったような気がした。