Jをめぐる冒険BACK NUMBER
ブラジル攻撃陣に食らいついて金星!
DF渡辺剛に響いた森重&東のエール。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byGetty Images
posted2019/10/18 17:00
第18節からリーグ戦フル出場を続ける渡辺剛。冨安健洋ら多士済々の東京五輪世代DF争いに割って入ってきている。
森保監督からの最大級の評価。
「だから、先輩たちから『たぶん、おまえ、(早生まれだということを)知られてないよ』ってイジられていて。自分でも、そうなのかなって(笑)」
だが、知られてない、なんてことはなかった。このブラジル遠征でついに声が掛かるのだ。それも、「FC東京でレギュラーとして試合に出続けている。実力的にもU-22代表に相応しい選手だと思う」という森保一監督による最大級の評価とともに。
ようやく呼んでくれたか、といった心境?
――そう訊ねると、渡辺はきっぱりと否定した。
「いや、ようやくっていう感じではないです。もともと東京でもこんなに早くチャンスが来るとは思ってなかったですから。自分がプロになったときに思い描いた最高の流れで、ここまで来ていると思いますね。うまくいってるなって」
しかも、ただ選出された、というわけではない。10日に行なわれたU-20サンパウロFCとの練習試合に先発しただけでなく、14日のU-22ブラジル代表戦でもスタメンに3バックの一角として抜擢されるのだ。
いきなりPK献上という試練。
世代別代表として初めての国際舞台で、試練はいきなり訪れた。
ブラジルのスピーディな攻撃とポジションチェンジによってチーム全体が押し込まれると、渡辺自身も激しいプレスの前に効果的なパスを繰り出せない。そして15分、自陣ペナルティエリア内での浮き球に対し、渡辺が足を上げてクリアに行ったところ、相手選手の足に接触してPKを献上。痛恨の先制点を許してしまう。
「事前に『(ブラジルは)前からかなり来る』と聞いていたんですけど、想像を上回る速さで、ピッチに入ってみないと分からないことでした。PKの場面は、あそこまで足を上げると、ファウルを取る審判もいるのかと。Jリーグでは経験できないことなので、反省して今後に生かしたいですね」