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4年連続無冠ガンバが立ち直るため、
宮本監督が残留争いで試されるもの。
posted2019/10/18 19:30
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
Getty Images
4年連続の無冠という厳しい現実を突きつけられてから3日が経過してもなお、選手たちの心の傷は癒えていなかった。
「相当、ショックでしたね。結構、引きずっています……。こんなに引きずるのはサッカー人生で初めてかも」
朴訥な口ぶりが特徴の小野瀬康介は、8分程度の囲み取材で「ショック」という言葉を2度口にした。
10月13日のルヴァンカップ準決勝第2戦で北海道コンサドーレ札幌に0対1で敗戦。ガンバ大阪はアウェイゴールの差で決勝への切符を逃した。
札幌相手に0-1でルヴァン敗退。
ホームで行われた第1戦は2対1で勝利。引き分けでも勝ち上がりが決まるアドバンテージを活かしきれなかった宮本恒靖監督は「アウェイゴールを初戦で献上したことがこういう結果になった」と振り返った。だが、敗因はアウェイゴールを与えたことではなく、敵地で点を取りきれなかったことにある。
「アウェイゴールこそ、僕らが狙いに行くべきもの」と敵地での一発に意欲的だった宇佐美貴史が左太もも裏を痛めて前半34分に負傷交代するアクシデントに加えて、アデミウソンが決定機で再三のシュートミス。取りきれず、守りきれずという今季の足取りを象徴するようなゲーム展開で、唯一残されたタイトルへの夢を断ち切られた。
「我々は、このピッチでもっとレベルの高いことをやります」
昨年11月のホーム最終戦後のセレモニーで、サポーターに対して声高らかに宣言した指揮官ではあったが、就任2年目に残された現実は、無冠に加えて2年連続での残留争い。そして天皇杯では2回戦で再び、大学生相手に完敗というビッグクラブにあるまじき屈辱の結果のみだ。