F1ピットストップBACK NUMBER
台風通過後の鈴鹿でメルセデスV6。
図抜けた現場スタッフの信頼関係。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2019/10/15 12:00
ハミルトン(左白キャップ)、ボッタス(右白キャップ)がチームを信頼して大人の戦い方をできるのがメルセデスの強さ。
チーム連覇の喜びを分かち合った。
しかし、ハミルトンはここまで獲得してきた数々の栄光が自分ひとりで成し遂げられたものではないことも自覚している。
「見えないところで多くのスタッフが僕たち2台のマシンを勝たせるために、いかに努力を重ねているか、僕は知っている。ブラックリー(チーム本拠地)、ブリックスワース(メルセデスPU開発部門)、そしてシュツットガルト(メルセデス本社)、みんなのハードワークと献身に感謝している」(ハミルトン)
チームを信頼して、2度目のピットインを行ったハミルトンは、ベッテルの後方3位でフィニッシュ。しかし、1位と3位を獲得したメルセデスは、ここ日本GPでコンストラクターズ選手権6連覇を達成した。これは'99年から'04年まで連覇したフェラーリの6連覇に並ぶ、F1史上最多連覇である。
自らの勝利は失ったハミルトンだが、チーム連覇の喜びをスタッフたちと分かち合っていた。
「チームのことを思うとすごくうれしい。なんてすごい記録だ! 6連覇を達成したメルセデスの歴史の一部になれたことが信じられないほど誇らしい。だから、いまはこの金字塔達成を祝いたい」(ハミルトン)
メルセデスが強いのは速いマシンと速いドライバーがいるからだけではない。そのチームとドライバーとの間に、信頼関係があるからだということも忘れてはならない。