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寡黙な男SANADAの静かなる野望。
「ライバル」オカダのIWGPに挑む。 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2019/10/10 20:00

寡黙な男SANADAの静かなる野望。「ライバル」オカダのIWGPに挑む。<Number Web> photograph by Essei Hara

2007年、武藤敬司体制下の全日本でプロデビューしたSANADA。海外武者修行や多くの団体での闘いを経て、ついに新日本の頂点を目指すまでに。

同じ学年にあたる2人はライバル。

 SANADAとオカダは今年、すでにシングルマッチで3度戦っている。対戦成績はSANADAの1勝2敗だ。だが、通算では7戦して1勝6敗と大きく負け越している。だが、オカダはSANADAを評価して「同級生」とか「ライバル」とか呼ぶようになった。

 SANADAは1988年1月のいわゆる早生まれ、オカダは1987年11月生まれだから、学年で見れば一緒である。プロレスラーとしてのキャリアはオカダ15年、SANADAは12年。

 31歳という年齢はプロレスラーとして一番いい時かもしれない。この年齢で同じ歳のオカダとやり合えることに、SANADAはある種の幸福感を抱いている。

 もっと成長できる可能性は十分にあるし、成長できるように努力するだろう。だが、SANADA自身もそうだが、オカダにとっても、その「今」という時間は逃したら永遠に戻って来ないからだ。だから、この時間を大切にしたいと思っている。

5月の福岡から始まったライバル物語。

 SANADAは今年3月24日、長岡でのニュージャパンカップ決勝でオカダと対戦した。好勝負だったが、SANADAはオカダに敗れて、優勝を逃した。

 だが、当時、無冠だったオカダは4月にニューヨークのMSGでIWGP王者になったら、SANADAとIWGPをかけて戦うことを試合直後に宣言した。「同級生対決」を最初に口にしたのはオカダの方だった。

「同世代で勢いがあるタイミングだからこそ、熱いうちにやっといた方がいいんじゃないかな」

 その約束通りオカダはIWGP王者に返り咲いて、5月4日に福岡でSANADAの挑戦を受けた。SANADAは38分を戦いIWGPベルトに接近はしたが、オカダの牙城を崩すことはできなかった。

「ライバルってやっぱり同世代なのかなと思っていた中で、調印式の時に、SANADAさんに『ライバルだ』って言ってもらって、オレ自身もそこがグッときた。あんなクールな人にそうやって言われることによって、オレもなんだかんだSANADAさんとの試合を望んでいるし、楽しがっているし、それがある意味ライバルなんじゃないかと思いました。

 これで対戦成績としては6勝0敗かもしれないですけど、今日から始まったと思っていますし、過去の戦績はなしでいいんじゃないかと。1勝0敗で、またここから始まっていくんじゃないかと思います」(オカダ、5月4日)

 新しいライバル物語はオカダ流には5月の福岡でスタートしたことになる。

【次ページ】 「ライバル、初勝利おめでとう」

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