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立野和明がドラフト上位である理由。
受けてわかった直球、変化球、精神。

posted2019/10/15 15:00

 
立野和明がドラフト上位である理由。受けてわかった直球、変化球、精神。<Number Web> photograph by Masahiko Abe

筆者と談笑する東海理化・立野和明。実際にキャッチャーミットで受けることで、その能力が実感できた。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Masahiko Abe

 この夏、都市対抗の東京ドームで見た印象とぜんぜん違っていた。

 所属の東海理化は予選で破れており、トヨタ自動車の補強選手として出場していた立野和明。

 決勝戦に進んでのJFE東日本戦。

 3点差にされた直後、4回の1死一、二塁のピンチにリリーフとして登板。その後の2イニング3分の2、アウト8個で5三振を奪ったが、圧倒的な快速球よりはスライダー、カーブ、フォークを交えた投球のコンビネーションの方が光って見えたものだ。

 しかし、そこから2カ月ちょっと。

 東海理化グラウンドのブルペンで実際に受けた立野和明の「全力投球」は、とんでもなくパワフルで精緻なものだった。

 ブルペンで、まず立ち投げから。

 ほとんど指にかけないフワッとしたボール。こっちを気遣ってくれている。

「どれぐらい捕れるかわからなかったんで……すいません。失礼しました」

 笑いながら、あとからあやまってくれて。率直な物言いが、いかにも若者らしい。

 こっちには軽~く投げて、“本気投げ”はチームの本職のキャッチャーを相手に……ぐらいに考えていたのかもしれない。

力感とボールの力の差が逸材の証。

 もっと指かけていいよ! リクエストした次のボールが、急に変わる。

 突然、ビューンと来た。これこそ、怪腕、剛腕の証し。パワーが一気に上がる。

 “7”ぐらいの力感の腕の振りから“9”ぐらいのスピードのボールが吹っ飛んでくるから、アッと驚く。この「違和感」が逸材の証だ。

 パーン! という乾いた捕球音。同時に、ミットをピタッと止めたから、ちょっとは“信用”してくれたみたい。

 もう、そこからは、ビュンビュン、ビシビシ。立ち投げ10球ほどで、腰を下ろす。

 うわっ! デカ!

 目の位置が低くなって、「下から目線」で見上げたマウンドの姿のでかいこと。

 181cm77kg……びっくりするほどの数字じゃないが、見上げた姿は185cm90kgくらいの印象だ。

 大瀬良大地(現・広島)もデカかったし、菅野智之(現・巨人)なんて、もっとデカかったが、立野和明の姿もデカい。

 手足が長い。体幹に力があるから、腹筋、背筋ですごく大きく立てている。

【次ページ】 若いオーバーハンドなのに暴れない。

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