マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
立野和明がドラフト上位である理由。
受けてわかった直球、変化球、精神。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byMasahiko Abe
posted2019/10/15 15:00
筆者と談笑する東海理化・立野和明。実際にキャッチャーミットで受けることで、その能力が実感できた。
恩師は「立派な逸材だと思ってる」。
「まだ若いんで、ピシャッと抑えるのはなかなかできないんですけど、でも若手にありがちな“炎上”とか、調子の波がないんです。だいたいこっちの想定内で試合を作ってくれる。そういう意味では、私、立派な逸材だと思ってるんです」
東海理化の3年間、手塩にかけてきた奥山博之監督は、現役時代に「都市対抗10年連続出場表彰」も受けたバリバリのレギュラーマスクだった。
今でも、当たり前のようにブルペンでミットを構えるという。
「21歳ですから、人間的にはまだまだ甘いところはあると思うんです。でも、わずか3年間でここまでの投手になるんですから、投手としてのセンスはすばらしいもの持ってますね」
ブルペンでの力量は文句なし。あとは、この才能をどれだけ実戦で体現できるかどうか。
そこを教えてくれる人は「いない」と思ったほうがいい。
自分で気づけるかどうか。ここから、本当の「投手・立野和明」の闘いが始まる。