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アイルランド撃破は奇跡ではない。
日本の信念と4年間積み重ねたもの。

posted2019/09/29 12:00

 
アイルランド撃破は奇跡ではない。日本の信念と4年間積み重ねたもの。<Number Web> photograph by Getty Images

ノーサイドの瞬間、日本代表フィフティーンは喜びを爆発させた。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Getty Images

 これは、奇跡ではない。

 これは、番狂わせではない。

 9月28日に行われたプール第2戦で、日本はアイルランドを19対12で下した。スコアだけを見れば「競り勝った」との表現も当てはまるが、はっきりと内容で上回った勝利である。

 アイルランドは後半40分が過ぎたあとのマイボールを、タッチへ蹴り出した。プレーを継続してトライを奪い、ゴールも決めれば同点に追いつけるにもかかわらず、である。

 試合後の記者会見で、敵将ジョー・シュミットは「ボーナスポイントは重要だったかもしれない」と明かしている。勝点2を得られる引分けへ持ち込むことよりも、7点差以内の敗戦に与えられる勝点1を、アイルランドは優先したのだった。

過去の対戦成績は日本の0勝9敗。

 世界ランキング2位の対戦相手は、18年世界最優秀選手のジョナサン・セクストンをケガで欠いていた。34歳のスタンドオフの不在は、勝敗を左右した一因かもしれない。その一方で、スコットランドとの初戦を欠場したウイングのキース・アールズと、フルバックのロブ・カーニーがスタメンに名を連ねていた。どちらも3大会連続のW杯出場となる経験者だ。

 過去の対戦成績は日本の0勝9敗で、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の指揮下で連敗した17年の2試合には、セクストンだけでなくスクラムハーフのコナー・マレーも出場していない。アイルランドがどのようなメンバーを編成しても、日本にとって難しい一戦になるのは間違いなかった。

 試合が動いたのは13分だった。セクストンに代わってスタンドオフを務めるジャック・カーティのキックパスから、日本はトライを許す。ゴールは決まらなかったものの、5点を先行された。

【次ページ】 アイルランドは、ボールを持ったら前へ。

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