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ラグビーPRESSBACK NUMBER
「レイシストがルールを作っている」元日本代表選手も猛批判…ラグビーリーグワンの“新規程”が大紛糾のナゼ リーグ側は「差別を意図したものではない」
posted2026/05/11 06:05
2019年のW杯では日本代表として活躍した中島イシレリ。今回の新規定での影響を受ける選手のひとりで、その方針を強く批判した
text by

大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
JMPA
現行のリーグワンの「選手契約および登録に関する規程」は、
・カテゴリA(日本代表資格を有する選手)
・カテゴリB(他国の代表歴がなく、将来日本代表資格を得る可能性のある選手)
・カテゴリC(他国の代表歴があり、将来日本代表になる可能性のない選手)
の3つに分類され、ピッチ上の人数15人のうちAは最低11名、Cは3名まで、BはCと合わせて4名までと定められている(試合登録23名のうちAは最低17名、Cは最大3名、BとCを合わせて6名まで)。
問題の発端は「カテゴリーA」の分類
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2025年5月、リーグワンはこの「カテA」を2026-27シーズンから(1)小中学校の義務教育期間のうち6年以上を日本で過ごした者、または本人または両親祖父母のうち1名が日本出生である者を「A-1」、(2)それ以外を「A-2」という2つに分類。同時出場枠は「A-1」が8名以上、「A-2」はB、Cと併せて7名以下(うちCは3名以下)と変更すると発表した。
火種になっているのは「A-1」と「A-2」を分けるにあたり導入した
・「義務教育期間9年のうち6年以上日本に居住」したものはA-1
・A-2のうち、日本代表(15人制)30キャップ以上を持つ者は「日本代表に多大な貢献をした選手に対する優遇措置」としてA-1
という2項目だ。
ひとつめの「義務教育期間のうち6年以上を日本で過ごす」という条件はハードルが高い。リーチ マイケルのように高校入学時に、あるいは具智元やワーナー・ディアンズのように中学時代に来日し、日本のラグビースクールや中学・高校の部活動でラグビーキャリアを形成した選手もここでは「日本育ち」と認定されない。
自分の意志で居住地を選べる年齢になる以前のことで人生の選択肢を限定され、現在得ている自由を奪われるのは人道的な問題だけでなく、憲法で保証されている職業選択の自由、法の下の平等に反するという指摘もある。
さらに「不遡及の原則」にも反する。
今回、申し立てを行った選手たちの多くは煩雑な手続きを経て日本国籍を取得し、旧トップリーグ時代に「日本人」としての出場資格を得て、リーグワン移行後もその資格は保証されていた。新たな法を導入する際は、施行前に得ていた権利を侵さないよう、施行前に遡って適用しないのが法理論の「不遡及の原則」だ。法律ができるよりも前の行為を事後に成立した法では裁けないのと同じだ。

