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おちゃらけキャラだが実は「巧い」。
浦和・森脇良太、異能の400戦出場。

posted2019/09/23 11:30

 
おちゃらけキャラだが実は「巧い」。浦和・森脇良太、異能の400戦出場。<Number Web> photograph by Getty Images

年下のチームメートにもいじられがちな森脇良太。ピッチでのプレーを見ると、気の利いたプレーができるタイプだ。

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佐藤亮太

佐藤亮太Ryota Sato

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 試合前、選手紹介で浦和レッズの森脇良太が呼ばれただけで、相手サポーターから盛大なブーイングが沸き起こる。これはFC東京、鹿島アントラーズなどの相手だけでなく、あまりブーイングをしないイメージがある川崎フロンターレのゴール裏からも響き渡ったと記憶している。

 一方で、浦和においては森脇へのブーイングは今や無いと寂しい“お約束”と言っていい。

 ファールギリギリの激しいプレー。そしてテレビやピッチなどで見せるひょうきんなキャラクターもあってか、いたるところでブーイングを浴びがちだが、浦和サポーターからのそれは温かみがあるように思う。

 それは森脇良太という選手の価値を、浦和サポーターが実感しているからこそだろう。

ただの“おちゃらけ”選手ではない。

 森脇は第24節・松本山雅戦で歴代105人目となるJ1・300試合出場の偉業を達成した。またJ2での100試合を加えるとJ通算400試合に到達した。

 2013年、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督に請われてサンフレッチェ広島から移籍すると、元日本代表DF坪井慶介から右センターバックのレギュラーを奪取。その後、遠藤航、岩波拓也、橋岡大樹らが毎年加入しても森脇は負けなかった。

 昨シーズンは3度の肉離れで思うようなシーズンが送れず、今季は大槻毅監督になり、控えに回るケースも多くなったが、新境地となるリベロで起用され、33歳のいまでもプレーの幅は広がっている。

 ただの“おちゃらけた選手”では、厳しいプロの世界は生き残れない。

 ではなぜ、森脇はライバルをはねのけ、J1・300試合出場ができたのか。

 その大きな要因として、ともにプレーした選手は誰もが認めるが、一般的なイメージは薄いであろう「技術の高さ」がある。

【次ページ】 「阿部ちゃんと同じくらい巧い」

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