欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
マンチーニの積極的な若手起用が吉。
変貌したイタリアは美しくて、強い。
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byUniphoto Press
posted2019/09/21 20:00
EURO予選で好調のイタリア代表。インテルで定位置をつかむセンシ(左)やバレッラなど、将来有望な若手が揃う。
アリゴ・サッキが蒔いた種。
マンチーニ監督が優れた選手を代表に呼べるようになる下地は、実は長年かけて作られたものだった。
FIGCは2010年、アリゴ・サッキをスーパーバイザーとして招聘して、攻撃サッカーに見合うスカウトと育成が行われるよう、若年層の育成方針を全面的に見直した。その後、協会幹部との軋轢でサッキは辞任することになるが、蒔かれた種が今刈り取られている。バレッラもセンシも、キエーザもペッレグリーニも、新しい基準のなかで発見され、長年鍛えられた選手たちである。
「ロシアW杯出場を逃したチームを引き継いだとき、イタリアは他に選手がいないのではとも囁かれていた。でもちゃんと目を凝らしてみれば、イタリアは選手に事欠かないのが分かった。そこから幸運にも、若いチームを作り上げることができている」
マンチーニ監督は、そう公言している。
欧州12カ国で分散開催されるEURO2020の開幕戦の舞台はローマだ。
そのときまでに素晴らしいチームを作り上げ、カタールW杯出場へつなげていくことが現在のイタリアの目標である。