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生まれたばかりの長女を残して……。
マリティモ・前田大然、称賛と苦悩。
 

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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photograph byRyohei Hayashi

posted2019/09/15 11:50

生まれたばかりの長女を残して……。マリティモ・前田大然、称賛と苦悩。<Number Web> photograph by Ryohei Hayashi

ポルトガル1部のマリティモに移籍後、8月25日のCDトンデラ戦で初ゴールを挙げた。

U-22日本代表でのプレーにも変化が。

 先日行われたU-22日本代表の北中米遠征では、以前よりもゴールに向かって仕掛ける回数が増えている印象を受けた。強引にでも突破してシュートを狙うなど、得点にこだわる姿勢という点で確かな変化を感じさせた。

 その変化には「海外でFWならば、結果にこだわってやっていかないと生き残っていけない。より大然自身もそこを意識してやっているのかなと思う」と周りの選手も口にするほど。海外に行ったことで結果への意識は強まっている。

 だが、遠征中に体調を崩したこともあって不完全なコンディションで挑んだU-22アメリカ代表戦は無得点で終了。「僕の課題はやっぱり得点力だと思う。そういうのを含めてポルトガルに行く決断をしたので、課題を克服して一皮むけるためにも試合で点を決めたい」と話していた中で、結果という面でアピールすることができず。悔しさを残して帰路につくことになった。

長女を連れて奥さんがポルトガルに来る。

 今回の遠征を終えて再び前田はポルトガルに戻った。週末にはすぐ試合が訪れることもあって、代表帰りの男がどんなパフォーマンスを見せるのかはマリティモのサポーターも注目していることだろう。

「今のチームでしっかり試合に出て点を取るというのが大事。その先は結果を残さないと生まれてこない。まずは目の前のことに専念したい」

 ポルトガルで新たな一歩を踏み出したアタッカーは、1日1日いろいろなものを吸収しながら成長を続けている。ここでの活躍が未来への準備になると信じて、いまやるべきことに取り組んでいる。

 あと少しすれば、首がすわる時期に入った長女を連れて奥さんがポルトガルに来るのだという。そうなれば、いま以上に家族の力を得て、より責任を背負って目の前の戦いに挑むことになるだろう。

 前田はマリティモの地で快速を飛ばしてピッチを翔ける。娘の生まれた日から決めた13番のユニフォームを背負って。

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前田大然
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