マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
甲子園から解放された表情が楽しい。
U-18で目を引いた西純矢の大器感。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byAFLO
posted2019/09/12 19:00
西純矢の投球は、彼もまたドラフト1位候補であることを存分にアピールするものだった。
来月のドラフトまで、秋のひと伸びを。
この夏の予選までの西純矢は、もっと窮屈そうに野球をしているように見えていた。
トーナメントの息苦しさは、経験した者じゃないとわからない。
「勝たねばならぬ!」のプレッシャーはそんなに変わらないのだろうが、何かから解放されたような、吹っきれたエネルギーが実に若々しい。こんなふうに投げられたら、今でもプロの1イニングの中継ぎで結構いい仕事しそうな、そんなイメージが簡単に描けてしまう。
進学、就職を決めた選手たちもいるが、今年の「ジャパン」はその半数以上がプロ志望のようだ。
来月には、それぞれの将来を左右する「ドラフト会議」が待っている。
ここから先はもう、公式戦のないノンプレッシャーの秋だ。
しかしプロを志す者にとっては、「停滞の秋」にしてはならない。ここでさらにワンプッシュ、レベルを上げておかないと、1月の合同自主トレでコンプレックスにかられ、最初から遅れをとることになる。
疲れた心身をしばらく癒したら、そこから先は、「秋のシーズン」のスタートだ。伸び盛りの心身をさらに鍛えながら、運命の日を待とう。