ゴルフPRESSBACK NUMBER
横峯さくらはC・ロナウドを見て奮起!?
今季総括と国内メジャーへの意気込み。
posted2019/09/10 18:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
8月下旬、カナダのオンタリオ州。CP女子オープン3日目、横峯さくらは8番で長めのパーパットを沈めた。9番まではちょっと距離があり、横峯と横峯の夫でキャディーを務める森川陽太郎は桟橋を早足で歩いていく。筆者は2人に追い越される際に、森川から声をかけられた。「次のホールでバーディ取ります!」森川の言葉に呼応するように「頑張ります!」と横峯は両手でガッツポーズを作った。
筆者は耳を疑った。
だって「予告バーディ」である。
ゴルフ取材歴10年目になるが、そんなの初めて聞いた。
9番パー5、526ヤード。横峯はティーショットを右のラフに曲げた。だが3打目をしっかりグリーンにのせて、本当にバーディパットを決めてみせた。
自分にブレーキをかけてしまっていた。
後日、横峯に「予告バーディ」の真意を尋ねた。
「全英女子の3日目の朝から『自分に期待してプレーする』ということを始めてて。それまでは優勝したいのに毎回スコアが伸ばせていないことで、自分に裏切られた気になっていました。だから、20位ぐらいになると『現状維持でいいかな』とか『ボギー打ちたくない』など、自分にブレーキかけてしまっていたんですね。そうすると全然(自分のゴルフに)ワクワクしないので『もっと自分に期待しよう』と。
あの日は、ロング(パー5)でしかバーディが取れてなかったんですよ。だから『ここのホール(9番)が大事だよね』って主人と喋ってて。『バーディを取りたい、取らなきゃ』という気持ちを2人で口にしていたんです」
あの時、横峯は自らを奮い立たせるため、あえて宣言したということだったのである。