今日も世界は走っているBACK NUMBER
大迫傑、設楽悠太らを見逃すな!
金哲彦が語るMGCの魅力と見所。
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph byKyodo News
posted2019/09/09 11:30
大迫や設楽らの真剣勝負が繰り広げられるMGC。誰が東京五輪代表の座を勝ち取るか。
MGCは、まるで東大入試!?
そして、MGCが目前に迫ったこの時点で最も注目すべきは選手自身の内面「メンタル」だ。
99点のレースができたとしても3位や4位では合格ではない。100点満点でもライバルが常識はずれの110点をとるかもしれない。2名だけしか突破できない東大入試のようなものだ。
足の痛み、体の重さ、胃腸の具合、トレーニングで消化できなかったこと、友人からのメッセージ、所属会社や契約先からの期待など、選手の眠りを浅くする悩みは、たとえ些細なことでも未だかつて無い重さでのしかかってくる。そんな選手のプレッシャーや葛藤は私たちには計り知れないが、それを乗り越えて2位以内に入った選手のメンタルがとてつもなく強いことは間違いない。
普段はスポーツに興味がない人も、マラソンのテレビ観戦をしない人も、MGCは絶対に見逃してはいけない。本番の五輪より、ひょっとしたらMGCの方がレース中のワクワク感が大きいかもしれないのだ。