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大迫傑、設楽悠太らを見逃すな!
金哲彦が語るMGCの魅力と見所。
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph byKyodo News
posted2019/09/09 11:30
大迫や設楽らの真剣勝負が繰り広げられるMGC。誰が東京五輪代表の座を勝ち取るか。
暑さ対策も重要なポイント。
さらに、今回のMGCではレース中の暑さ対策も重要な課題である。
暑熱対策トレーニングは、すでに各選手が行なっているはずだ。加えて、レース当日に使うスペシャルドリンクの中身などでチーム独自の工夫と対策がどうなっているか興味深い。
科学者や医者などでチームを組み、水面下で独自の暑さ対策を作り上げているチームもすでにあるだろう。特別に調合されたスペシャルドリンクは、同じチーム内では手渡しで共有されるが、他のチームの選手に渡ることはない。
上り坂勝負との見方があるが……。
MGCは五輪本番とほぼ同じコースになる。全般的に平坦なコースの特徴は2つ。Uターンする折り返しが2箇所あること。そして、最後にかなりきつい上り坂があることだ。
折り返しポイントは、いずれもレースが動く可能性が高い24km付近と33km付近にある。
折り返しは、風向きが変わる、下りが上りに変わる(逆もまたしかり)、後続の選手との距離と様子を観察できるという3つの点で仕掛けどころになる。集団が形成されていても、折り返すごとに数が絞られていく。そして、ここで振り落とされればチャンスはなくなる。
最後の上り坂で勝敗が決するという予想もあるが、個人的には、40km付近まで集団になっていることは考えづらい。3名以内に絞られていれば、坂道で勝負するよりフィニッシュの明治神宮外苑が見えるところまでそのまま3名で行きたいと思うのが選手の本音だろう。