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原辰徳インタビュー(3)「監督の気持ちでやる選手を何人作れるか」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/09/11 11:30
監督として、7度のセ・リーグ優勝、3度の日本一にチームを導いた。昨年、野球殿堂入りを果たす。
「決してまだ強いチームではない」
――そういう選手をどれだけ作り出して、それを束ねて勝てるか。そこが監督・原辰徳の仕事だということですね。
「そういう人間がジャイアンツの、このユニフォームを着る人たちなんです。そういう選手じゃなければジャイアンツに入れない、ユニフォームを着れないんだ、という意識を選手たちには持ってもらいたい。そこが大事だと思いますね」
原監督は今の巨人を「決してまだ強いチームではない」と語る。それでも選手個々に「勝つ」ということを強く意識づけ、個人ではないチームの野球、「個人軍」ではない「巨人軍」の戦いを徹底することでいま現在、セ・リーグの首位を走っている。
そういう意味ではリーグ優勝への残る1カ月の戦いにこそ、原監督が目指すチームの真価が問われる。選手個々がリーダーシップを発揮して、それぞれがチームを引っ張っていくために、どんな働きができるのか。巨人がそんなリーダー集団たり得たとき、5年ぶりの栄冠がその頭上に輝くはずである。