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日本のアイスダンス界に新星!
15歳吉田唄菜&17歳西山真瑚。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2019/09/06 11:00
ペア結成半年で初出場したジュニアGP大会で6位と健闘した吉田唄菜(左)と西山真瑚。
近くで滑ることの恐怖。
アイスダンスは初体験だった西山にとって、当初どのようなところで苦労をしたのか。
「アイスダンスを試してみて一番大変だったことは、相手と滑りを合わせること。(相手と)近くで滑ることの恐怖を克服することでした」と西山。
一方吉田は、西山とトレーニングを開始して、すぐにポジティブな手ごたえを感じた。
「最初に組んだ時はやはり少し違和感があったのですが、もう少しこうして、と言うとすぐにできるようになった。また自分の滑りに似ていたので、滑りやすかったです」
シングルでは味わえないもの。
もともと西山は東京で樋口豊コーチに師事していて、吉田は樋口コーチの弟子だった有川梨絵に指導を受けていた。そのためスケーティング技術の基礎が似ていたことも、助けになったという。
現在はトレイシー・ウィルソンから、改めて基礎のスケーティングの指導を受けている。2人で滑るときにマッチしやすい、そしてスピードが出やすく、緊張した時でも安定した滑りができるようなスケーティング技術を習得中だ。
「(アイスダンスは)いきが合わないときはつらいけれど、合ったなというときはとても気持ちが良い。これはシングルでは味わえない感覚でした」と西山。初めて「うまく合ったな」と感じるまでに3、4ヶ月くらいかかった。
もっとも現在はまだジャンプの練習の再開はできていないが、西山はアイスダンスと並行してシングル選手としての活動も続けていく予定だという。
世界が注目の『ドン・キホーテ』。
今季のフリー『ドン・キホーテ』は、海外のプレス関係者からも絶賛されている注目のプログラムだ。振付は世界チャンピオン、パパダキス&シゼロンの指導もしているロマン・アグノエル。「クラシックバレエ風にきれいに踊るのが好き」という西山が、チャーミングにキトリを演じる吉田をうまくリードして、見ごたえのある華やかな作品に仕上がっている。