セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
コンテ就任でセリエAの覇権に異変。
冨安はルカクやC・ロナウドと対峙。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2019/08/24 11:30
新生インテルの象徴、コンテ監督。古巣ユベントスを知り尽くした男が、王者奪還を虎視眈々と狙う。
初CLアタランタは戦力維持に成功。
国内に敵なしだったユーベを昨季のコッパイタリア準々決勝で完全に叩きのめし、ジャイアントキリングを起こしたのが、地方クラブの星アタランタだ。
3-0の完勝で王者の大会5連覇の夢を打ち砕いた彼らは決勝戦で敗れコッパのタイトル獲得こそならなかったが、セリエAで3位を奪取、今季はクラブ史上初のCLにも挑む。
リーグ最多77得点を挙げたチームは移籍市場での引き抜き攻勢を耐えしのぎ、戦力維持に成功。
4年目の戦術家ガスペリーニによる攻撃サッカーは90分間見応え満点で、あらゆるチームにとってアタランタ戦は鬼門になるだろう。
新体制で挑むミラン、ローマ。
上位陣のうち、昨季5位のミランと6位ローマは、いずれも監督交代に踏み切った。
昨季のレジェンドOB監督ガットゥーゾは守備に特化したチームでCL出場権を逃し、レオナルドTDとともに辞任。
新たにTDに就任したマルディーニとフロント入りしたかつての盟友ボバンは、攻撃サッカーで脚光を浴びたサンプドリアの監督ジャンパオロを引き抜いた。
昨季、36歳のベテランFWクアリアレッラに得点王をとらせた智将ジャンパオロは、サッリやガスペリーニ同様、ボールをもって主導権を握り、積極的に仕掛けるスタイルの指導者だ。エースFWピョンテクをワールドクラスのストライカーに育て上げつつ、聖地サン・シーロを熱狂させるチームを構築できるか。
ローマはセリエA初挑戦のポルトガル人監督フォンセカを招聘した。
永遠の都から主将デロッシが去り、トッティもフロントを去った。端境期を迎えたクラブにあって、むしろ何のしがらみもないフォンセカが思うままに采配を取れれば、欧州のトップクラブに一泡ふかせてきたシャフタール・ドネツク時代の再現も夢ではない。
もちろん、監督続投路線をとった昨季2位のナポリと7位トリノ、8位ラツィオも侮れない。彼らも昨季に劣らぬ戦力を揃え、開幕への態勢を整えた。