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香川真司はスペインを楽しんでいる。
サラゴサを「自分のチームにする」。
posted2019/08/22 20:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
8月17日に行われたスペイン2部の開幕戦のピッチに立った。
公式戦の出場は、ベシクタシュでの5月の昨シーズン最終戦以来のことだった。それ以降の実戦も、ドルトムントに戻っていた7月12日に10部のチームとの練習試合で30分プレーしただけだ。
そんな状況で迎えた開幕戦だったが、トップ下の位置に入った香川真司は後半35分までプレーし、チームも2-0で勝利した。
「1週間しか練習してないし、フォーメーションが変わって新しい選手も多かった。ぶっつけ本番に近い形だったので、今日は勝つことだけを意識していました。上手くいかないこともあるし、身体のキレを含めてそこまでベストではないのは事実。その中で、本当にチームとしてうまく逃げ切ったというか。チャンスは作られましたけど、今はこういう結果で勝ち続けていくことが何より大事だから、そこはホッとしています」
メディア上ではスペインを含めてあらゆる国、あらゆるクラブが移籍先として名前が出ていたが、最終的に香川が選んだのはスペイン2部のサラゴサだった。
コパ・デル・レイの優勝6回を誇る名門だが、昨シーズンは2部で15位に沈み、今は1部復帰を目指す立場だ。
ファン以上に大きい指揮官の期待。
スタジアムでの移籍お披露目イベントには、およそ7000人が集まった。
試合の日にも、子供たちがメッセージを書いた巨大な模造紙をかかげて、香川がスタジアムに入ってくるのを待っていた。ファンショップで23番をプリントしてもらうファンも多く、スタンドにはすでに23番のユニフォームを着た地元のファンの姿も目立っていた
ファンの期待も高まっているが、それ以上に監督からの期待は大きい。チームはこれまでのトップ下を置かない4-1-4-1ではなく、香川を活かすためにトップ下を置くフォーメーションへと変更した。