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グリーズマン、アザール、新星。
リーガの顔となるエース候補たち。 

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寺沢薫

寺沢薫Kaoru Terasawa

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posted2019/08/15 11:30

グリーズマン、アザール、新星。リーガの顔となるエース候補たち。<Number Web> photograph by Getty Images

憧れのジダンの下へやってきたエデン・アザール。銀河系軍団の新エースとして懸かる期待は相当のものだ。

メッシ、スアレス、グリーズマン。

 今季もやっぱり、リーガ・エスパニョーラの覇権を争うのはこの「ビッグ3」になるはずだ。その中で、注目は何と言っても、3チームがそれぞれ“新エース候補”と言えるアタッカーを新たに迎え入れていることだろう。

 バルサのエースは言わずと知れたリオネル・メッシで、彼とルイス・スアレスの2人が絶対的な得点源として君臨しているわけだが、彼らに続く第三の矢として18年1月にリバプールから加わったフィリペ・コウチーニョがファンを満足させる活躍を見せられず、バルサにとって“3人目のアタッカー”は重要な課題になっていた。

 そこにやってきたのが、かねてからクラブが獲得を熱望していたグリーズマンだ。

 昨季リーガで15ゴール9アシストをマークし、チャンスメークでも、フィニッシュでも違いをもたらせる彼の加入で、バルサの攻撃陣はどう進化するのか。ウイング、トップ下、“偽9番”としてのセンターフォワードと、グリーズマンは攻撃的なポジションならどこでもこなすオールラウンダー。メッシ、スアレスと3トップを組むのか、はたまたメッシ、スアレスの2トップをワイドやトップ下から支える形になるのか、コンビネーションの形も無限に想像できる。

 エルネスト・バルベルデ監督が新トリオの生かし方の“最適解”を見つけたとき、バルサはまたさらにひとつ上のレベルで、美しい攻撃を見せるチームになるはずだ。

プレミアで揉まれてきた天才ドリブラー。

 子供の頃からジダンに憧れ、“魅せる”プレーを心がけてきたアザールにとって、そのジダンが率いるレアルへの移籍は念願だったが、レアルにとってもまた、アザール獲得は重要なオペレーションだった。

 クリスティアーノ・ロナウドがユベントスに去った後、“エース不在”だった昨季は散々な出来でまさかの無冠に終わった。チーム再構築には、C・ロナウドに代わってチームの象徴になれるようなアタッカーが絶対に必要だったからだ。

 かつてC・ロナウドがプレミアからリーガに参戦してすぐにゴールを量産したように、アザールもまた、すぐにリーガの水に馴染んで活躍できるのではないだろうか。スペインはイングランドに比べてよりテクニカルだが、プレミアでナンバーワンのスキルを誇ったアザールなら問題ない。

 さらに、彼にはスペインよりスピーディーでDFの当たりが強いイングランドで何度もピッチに這いつくばり、それでも立ち上がってきた男。彼にはフィジカル重視のプレミアで揉まれてきた自信がある。より落ち着いてボールを保持する余裕ができるリーガのピッチは、その自信と持ち前の技巧をさらにいかんなく発揮できる場所になるはず。

 レアル復活のカギは、間違いなくこの天才ドリブラーが握っている。

【次ページ】 若き日のC・ロナウドを彷彿させる19歳。

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