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八村塁、渡邊雄太にファジーカス。
日本バスケの最強布陣の実力は?
posted2019/08/09 11:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
日本バスケットボール協会の技術委員長を務める東野智弥の言葉に、日本バスケ界への期待感がつまっていた。7月30日に行なわれた中国W杯の日本代表候補メンバー発表記者会見の冒頭で、東野はこう宣言した。
「あと360日で、(バスケットボールの男子の日本代表としては)44年ぶりとなるオリンピックを迎えます。その第一歩として、W杯は非常に大きな大会となるわけです。みなさんに、そのための『ジャパン・ドリームチーム』を発表できることを非常に嬉しく思います」
先日、NBAドラフト1巡目9位でワシントン・ウィザーズから指名を受けた八村塁もこう語っている。
「協会の方々も、東野さんも頑張って盛り上げよう、強化しようとしてきてくれていました。そうやって今まで頑張ってきた甲斐がW杯には出てくると思いますし、日本バスケ全体として特別な大会になると思います」
「あの3人だと思います」
なぜ、「ドリームチーム」なのか?
今年の2月。8連勝を飾り、地元開催大会を除くと21年ぶりにW杯出場を決めたあと、日本の司令塔である富樫勇樹が出場権獲得の要因を語っていた。その言葉にヒントは隠されている。
「きっかけは、あの3人だと思います。彼らはトップレベルでやってきた選手たち。実際に彼らの存在が、他の選手全員への良い刺激になり、Bリーグでプレーする選手もそれぞれ成長していきました。それが最後に8連勝できた最大の鍵なのではないかなと思います」
「あの3人」というのが、Bリーグ初代MVPでアメリカ生まれのニック・ファジーカス、渡邊雄太、そして八村のことだ。昨年の4月にファジーカスの日本への帰化が認められ、日本代表に初めて名を連ねた。同じく6月に八村が代表に加わり、9月には渡邊が代表に復帰した。
これまではファジーカスと八村、渡邊と八村が同じ試合で招集されることはあっても、ケガやスケジュールの関係で、彼ら3人が同時にプレーしたことはない。実際、ファジーカスと渡邊は、7月30日の記者会見を前に初めて顔を合わせたくらいだ。
7月の代表合宿の練習中に昨シーズンのBリーグMVPの富樫が右手を骨折してW杯への参加ができなくなったことは痛手だが、“勝ったことのないチーム”のメンタリティーを大きく変えた3人が一堂に会するからこそ、「ドリームチーム」というわけだ。