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名古新太郎に匂う「鹿島の系譜」。
小笠原満男、柴崎岳とも違う特性。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/08/07 07:00

名古新太郎に匂う「鹿島の系譜」。小笠原満男、柴崎岳とも違う特性。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

湘南戦にフル出場したMF名古新太郎。ここ3試合は同い年の三竿健斗と中盤でコンビを組んでいる。

プロを強く意識した大学時代。

 ただ、プレースタイルは、これまでの鹿島の伝統的なボランチである小笠原満男や柴崎岳のタイプとは違う。サイズ感とスピード、技術の高さは井手口陽介を彷彿とさせる。

 名古は静岡学園で個人技を磨き、その後、順天堂大学に進学した。

 サッカー部の監督は、清水東3羽烏と言われ、「ドーハの悲劇」を経験した堀池巧だ。プロ経験のある監督の言葉は刺激的で、努力次第ですぐに近くにプロがあることを意識させられた。

 チームには先輩の長谷川竜也(川崎フロンターレ)がいて、「プロで活躍するために」ということで日々語り合ったという。2017年ユニバーシアードで優勝し、その11月に鹿島と仮契約。2018年5月に特別指定選手となって8月の名古屋戦でプロデビューを果たし、2019年鹿島に正式に入団した。

同い年の三竿との“凸凹コンビ”。

 今シーズンは15節のセレッソ戦でスタメン初出場を果たすと仙台戦は途中出場。つづく鳥栖戦、浦和戦、湘南戦と3試合続けてボランチとしてスタメン出場をしている。

 コンビを組む三竿健斗とは誕生日が1日違い(三竿:96年4月16日、名古:96年4月17日)でともに23歳。168㎝の名古と181㎝の三竿との身長差は13㎝あるが、この2人が妙にマッチしている。

「健斗くんとは常にバランスを考え、お互いにしっかりと顔を見合わせてプレーしています。健斗くんは、ボール奪取する能力が高くて、それが持ち味ですが自分は運動量と攻守の部分で貢献したいと思っています。まだ数試合ですが、試合をこなしていくごとにもっとやれていくと思います」

 凸凹コンビだが、これが鹿島のボランチのファーストセットになっていくだろう。ただ、今後はレオ・シルバとのセットが見てみたいし、永木とのコンビも静学時代に磨いた攻撃力を発揮し、面白い組み合わせになりそうだ。

【次ページ】 「次は絶対に勝たないと」

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