“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
注目校が分散した甲子園組み合わせ。
星稜や期待の東北勢初戦を大展望!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/08/05 16:00
佐々木朗希を擁する大船渡を破って甲子園に出場する花巻東。初戦は2013年大会でも対戦している鳴門と戦う。
2年生エースに立ちはだかる超強力打線。
第4試合の明石商対花咲徳栄も大きな注目を集める一戦だ。
明石商の2年生エース・中森俊介は選抜大会で最速147キロのストレートにチェンジアップ、フォークボールを交えたピッチングでチームを4強に導いた本格派だ。
打線では2年生で1番を打つ来田凉斗に期待したい。
選抜の準々決勝・智弁和歌山戦では2本のホームランを放ち、9回には先頭打者として放った一発がサヨナラアーチという離れ業を演じた。夏の兵庫大会でも打率.320を記録。打率.524、2本塁打の4番・安藤碧(3年)も絡んだ強力打線も含め、総合力では優勝候補の筆頭と言っても過言ではない。
この明石商に対するのが、こちらも優勝候補の呼び声が高い花咲徳栄だ。
持ち味はチーム打率.432の攻撃陣。スカウトが熱い視線を送る3番・韮澤雄也(3年)が打率.385、4番・井上朋也(2年)が打率.433、16打点と好成績を挙げ、彼ら以外でも1、2番のコンビを組む池田悠真(3年)が2本塁打、橋本吏功(3年)が16打点、さらに6番・中井大我(2年)は打率.444、7番・田村大哉(2年)は打率.667、15打点と、どこからでも攻撃を仕掛けられる多彩な陣容を誇る。
奥川と並ぶ本格派と謳われる中森との対決は初戦の最大の呼び物と言っていいだろう。
花巻東ら東北勢の躍進にも注目。
準々決勝に進出する8校を予想すると、どうしても関東と近畿勢が中心になるが、私が注目しているのが東北勢。八戸学院光星(青森)、花巻東(岩手)、仙台育英(宮城)、聖光学院(福島)の4校は要注目だ。
開幕戦を戦う八戸学院光星はドラフト候補、1番・武岡龍世(3年)がチームナンバーワンの打率.588でチームを牽引すれば、6本塁打の3番・近藤遼一(3年)、5本塁打の4番・原瑞都(3年)がポイントゲッターになるつながりのよさで青森大会を勝ち抜いた。
岩手大会決勝では大船渡の佐々木朗希が登板回避をしたことで賛否両論が飛び交う社会現象を巻き起こしたが、その勝者である花巻東は佐々木が登板しても抑え切れたかどうか首をひねるくらい攻撃力が高い。1番・向久保怜央(3年)、3番・中村勇真(3年)、4番・水谷公省(2年)、5番・田村陽大(2年)と破壊力満点の上位打線が並び、エース・西舘勇陽(3年)を含めた総合力は関東や近畿の有力校に引けを取らない。