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今季ブンデスは日本人選手が受難。
でも大迫勇也はクラブで絶大な信頼! 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2019/08/04 11:40

今季ブンデスは日本人選手が受難。でも大迫勇也はクラブで絶大な信頼!<Number Web> photograph by Getty Images

万能型フォワードとしてブレーメンの地でも高評価の大迫勇也。今季も欠かせない主力として存在感を見せそうだ。

長谷部はもちろんリベロで健在。

 ただチームを率いるアドルフ・ヒュッター監督は今のところ、昨季のスタイルと主軸を継続する形でシーズンをスタートさせています。件のタリン戦では昨季のストロングシステムだった3-4-2-1を採用し、我らが長谷部誠は当然のように最後尾のリベロで先発フル出場しました。

 その他では、ケビン・トラップ(PSGにレンタルバック)の代わりにフェリックス・ビートバルトがゴールマウスを守り、レバークーゼンから今季5年契約で完全移籍したMFドミニク・コールがボランチで先発した以外は、昨季の主力メンバーがピッチへ立っています。

 また、昨年ドルトムントからレンタル加入していたMFゼバスティアン・ローデが5年契約で完全移籍したのは朗報。同じく昨季レンタルで途中加入していたDFマルティン・ヒンターエッガーがアウクスブルクを離れてフランクフルトのメディカルチェックを受け、近々完全移籍に至るとのニュースも流れています。

 つまり、フランクフルトはヨビッチとアレ以外はほとんど陣容が変わらないと言えそうです。

19歳FWはヨビッチの穴を埋められるか。

 とはいえ昨季ヨビッチとアレが果たした役割と影響力は絶大だっただけに、このふたりを失っただけでフランクフルトは大幅な戦力ダウンを強いられたとも言えます。

 その穴を埋めるべき選手と期待されているのが、19歳のFWデヤン・ヨベリッチです。ヨビッチと同じくセルビア出身で、レッドスター・ベオグラードのアカデミー出身という出自も一緒。

 ヨビッチとヨベリッチは正真正銘、直系の先輩後輩なのですが、ヨビッチは身長181cm・79kgと豆タンクのような体躯、ヨベリッチは180cm・64kgの細マッチョと、プレースタイルは異なる印象があります。

 ただ、そのヨベリッチはタリン戦で途中出場してフランクフルトでのデビューを飾ったうえ、値千金の決勝ゴールをマークして早くも実力の片鱗を見せました。“再びの新星出現”に、僕の飲み友だちである生粋のフランクフルトサポーターで少しお腹の出たドイツ人中年は狂喜乱舞しています。

【次ページ】 セリエA挑戦の噂がある鎌田は……。

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