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今季ブンデスは日本人選手が受難。
でも大迫勇也はクラブで絶大な信頼!
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2019/08/04 11:40
万能型フォワードとしてブレーメンの地でも高評価の大迫勇也。今季も欠かせない主力として存在感を見せそうだ。
セリエA挑戦の噂がある鎌田は……。
フランクフルトはもう1人、ある選手の評価を見極めようとしているように見えます。それは昨季シント・トロイデンへレンタル移籍してチームトップのリーグ戦12ゴールをマークした、我らが鎌田大地です。
最近の鎌田はジェノア移籍が取り沙汰されており、近々、メディカルチェックのためにジェノアへ赴くとも報じられています。一方で、鎌田はこれまでフランクフルトのテストマッチに何度か出場し、タリン戦では64分にヨベリッチと一緒にチーム最初の交代選手として、トップ下のMFミヤト・ガチノビッチに代わってピッチへ立っています。
フランクフルトはジェノアに対して鎌田の移籍承認を保留しています。タリンとのゲームを経てフランクフルトがヨーロッパリーグ本戦へ出場することになれば、人材確保の名目で鎌田をプロテクトするかもしれません。
現在のフランクフルトはヨベリッチに加え、アンテ・レビッチ、ゴンサロ・パシエンシア、そしてMFガチノビッチくらいしか攻撃の柱が見当たらないため、ここに来て鎌田の存在が一気にクローズアップされる可能性もあります。
ただし、プロフットボールは日々状況が変わり、劇的に事態が進展したり後退したりを繰り返しています。昨日まで「移籍」と報じられていた選手が「残留」を決断したり、「○○行き!」と言われていたのに異なるクラブへの移籍が発表されたりもするわけで、そのアクションは目まぐるしい。
とはいえ、出入りがあるからこそ各クラブのファン・サポーターは一喜一憂できるので、その楽しみを素直に享受した方がいいかもしれません。なかなか自らの去就が決まらない選手からすれば、たまったものではないでしょうけど……。
今季のブンデスは日本人が受難?
ところで今季のブンデスリーガでは、日本人選手が受難の日々を強いられています。
7月30日現在ブンデスリーガ1部に在籍している日本人選手は、去就が未定の香川真司を除くと、フランクフルトの長谷部と鎌田、そしてベルダー・ブレーメンの大迫勇也の計3人しかいません。
また2部まで見渡してもハノーファー96の原口元気、ハンブルクの酒井高徳と伊藤達哉、ザンクト・パウリの宮市亮の計4人のみが在籍している状況です。
このうち、7月26日に開幕したブンデスリーガ2部で試合に出場したのは原口と宮市。酒井と伊藤はベンチメンバーからも外れました。