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清宮キラー、DeNAで2年目の覚醒。
櫻井周斗を変えた大家コーチの一言。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2019/07/21 08:00
2018年にドラフト5位で入団。高校で3番を打っていた打撃も注目されたが、投手として立場を確立しつつある。
清宮から5連続三振を奪った左腕。
今季はここまで6試合に登板し、防御率は1.29(データは7月18日現在、以下同)。まだまだ投球回数は少ないものの櫻井は貴重な中継ぎ左腕として結果を出し、ラミレス監督の期待に応えている。
櫻井といえば語り草になっているのが、日大三高2年生のとき、秋季東京大会において早稲田実業の清宮幸太郎から5打席連続三振を奪ったことだろう。
スライダーを武器にした圧巻の投球は、多くのプロのスカウトの目に止まった。以来、櫻井は“スライダーピッチャー”というイメージが定着したわけだが、実際、櫻井自身もプロに入った際、スライダーだけは通用するという実感を得ていたという。
だが今季の櫻井は、軸となるのは140km台後半のストレートであるものの、ブレーキの効いたチェンジアップを多用しており、数多くの空振りを奪っている。そこにスライダーとツーシームを織り交ぜるといった配球だ。
新球チェンジアップに手応え。
櫻井は言う。
「チェンジアップはプロになってから覚えたボールなのですが、だんだんと形になってきていて、たしかに今はストレート同様自信をもって投げられるボールになっていますね。
まあ僕はスライダーピッチャーだという目線で見られていたと思うんで、スライダーだけじゃなくそういうところもアピールしたいし、投球の幅を広げていきたい」
今季の櫻井は、昨年に比べどこか覚醒した感がある。
体重は10kg近く増え、球威が増した。また特筆すべきはファームにおいて4月後半から急にバラついていた制球力が高まり、この課題を克服したことが一軍への足掛かりとなった。果たして何が起こったのか?