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清宮キラー、DeNAで2年目の覚醒。
櫻井周斗を変えた大家コーチの一言。
posted2019/07/21 08:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
過ぎてみれば時が経つのは早い――とはよく使われる常套句だが、そうは感じられない日々もある。弱冠20歳のサウスポーはプロになって過ごしたこの1年半を振り返り、実感を込めながら次のように語った。
「いや、だいぶ長いですね。いま過ごしている今日という1日もすごく長く感じますし、そういう意味では密度の高い時間を過ごしているんでしょうね。本当、毎日毎日、勉強ですよ」
横浜DeNAベイスターズの櫻井周斗は2年目の今季、一軍デビューを飾った。初舞台は6月7日に横浜スタジアムで行われた西武ライオンズ戦。櫻井は、2-6のビハインドの9回表にマウンドに上がった。
一軍における初の対戦相手は昨年のパ・リーグ本塁打王の山川穂高だった。
埼玉県所沢市出身の櫻井にとって西武は幼きときから馴染みのある球団であり、妙な縁を感じたという。
山川、中村、岡田を抑えた初登板。
MAX147kmのストレートを軸に山川と真っ向勝負。内外に投げ分けカウント3‐2とすると6球目、内角のベルトラインに滑り込むストレートで見事空振り三振を奪った。
ファールにした5球目とほぼ同じコースだったが、若干真っスラ気味に入ったボールに山川は驚きの表情を見せていた。つづく中村剛也を内角高めのストレートでサードゴロに仕留めると、さらに岡田雅利からチェンジアップで空振り三振を奪い、櫻井はこれ以上ないデビュー登板を終えた。
「普段は緊張しないほうなんですけど、さすがにあのときは緊張しました。とにかく(伊藤)光さんのミットに投げ込むことしか考えていませんでした。僕のなかでは、ようやくプロとして第一歩を示すことができたかなって。とくに山川さんからの三振は、最初の対戦だったこともあり自信になりましたね」