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1週間で3人が海外移籍した鹿島。
内田篤人「それでもタイトルを狙う」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/07/16 17:30
内田篤人もシャルケで飛躍したフットボーラーである。だからこそ若き選手たちの決断を尊重している。
層が薄くなっても育てるのが鹿島。
懐かしそうに笑う内田は、ゲルゼンキルヘンにあるスタジアムやクラブハウスに思いを馳せているようだった。喜怒哀楽、あらゆる感情をむき出しにして戦った日々がそこには刻まれているのだろう。
しかし、今の内田の戦場は鹿島にある。3月のジュビロ磐田戦で負傷後、長くリハビリが続いているが、7月に入って全体練習にも部分合流している。
「復帰の目安をなんとなくは考えているけれど、ここまで来て、もう一度痛めるのは避けたいから。ただ、ここから迎えるシーズンの山場には間に合わせたい」
鹿島に復帰した昨シーズンも、夏に負傷から戦線復帰し、リーグ戦、ACL、ルヴァンカップと過密日程を戦うチームの中で役割を果たした。10月のACL準決勝、水原三星と戦ったホームでのファーストレグ、アディショナルタイムに決めた内田の決勝ゴールは優勝へ向けての大きな弾みになった。
タイトルは若い選手に自信を与える大きな起爆剤だ。そういう意味ではACL獲得で、海外移籍が増えるのも、内田の言葉を借りれば「自然の流れ」なのだ。
「選手層が薄くなったとしても、育てるのがこのクラブ」
そう語る内田自身も、かつてリーグ3連覇という経験が海外挑戦の後押しになったはず。だからこそ、鹿島のキャプテンとして、今季もタイトル獲得を果たしたい。