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菊池雄星vs.大谷翔平「2番勝負」!
本気のチェンジアップは通用するか。
 

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byKyodo News

posted2019/07/13 09:00

菊池雄星vs.大谷翔平「2番勝負」!本気のチェンジアップは通用するか。<Number Web> photograph by Kyodo News

花巻東高校の先輩・菊池と後輩・大谷のメジャー2度目の対決は14日(日本時間15日)に予定されている

かわそうとしたら打たれる。

 ボールが行かないから打たれる。ここ数年は経験したことがなかった。多くの引き出しを持ち、悪いながらに抑えるテクニックは日本時代の菊池をある意味支えていた。ところが、メジャーではそれが出来ない。菊池はこれがメジャーの打者のレベルの高さだと言った。

「やはり甘いボールを見逃してくれない。パワーの違いは一番感じますし、誤魔化しがきかない。パワーも技術も相当高いレベルにあるので、かわそうとしたら打たれるということを感じました」

ローテーション投手の宿命。

 中4日で投げれば、年間で32、3試合の登板になる。コンディションを整え、必死に調整をしても、万全の状態でマウンドに上がれることは数えるほど。これはローテーション投手の宿命だ。逆の言い方をすれば、コンディションが万全でない中でどのようにしてメジャーの打者を抑えるか。これが先発ローテーションを守れる投手とそうでない者の差である。前半戦、菊池は苦しみながらもそこを体感した。これが最大の収穫と言えた。

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「より高いレベルに身を置くことでしかわからないこと、こっちに来るまでは本気でチェンジアップを投げようと思うことはあんまりなかった。必要に迫られる部分はあんまりなかったんですけど、こっちに来て改めてチェンジアップがなければいけないという気持ちになりました。ストレートも高めに投げないといけないんだなとか、(メジャーに)来ないとわからない部分もたくさんある。そういうものが前半戦でいろいろと経験できました」

 苦しみながらも、置かれた状況に真摯に向き合い、向上心を忘れずに戦い続けた菊池は前半戦最後の登板となった7月5日のアスレチックス戦で7回を4安打、3失点の好投。チェンジアップもメジャー移籍後最多の15球を投じ2奪三振。自分なりの新たな術を導き出した。

【次ページ】 レベルをひとつ引き上げた。

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