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錦織圭がウィンブルドンの芝を攻略。
順当なら準々決勝でフェデラー戦。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2019/07/08 11:45
ウィンブルドンで3試合連続のストレート勝ち。錦織圭の順調な勝ち上がりぶりを見れば、今度こそ期待せずにはいられない。
相手セカンドサーブで驚きの数字。
錦織が試合を振り返る。
「サーブはよかったですね。一番良かったんじゃないかくらい、気持ちよく打てた。それと同時にリターンゲームでもプレッシャーをかけられた。サーブとリターンは調子が良かった」
ファーストサーブの確率は75%。ファーストサーブ時のポイント獲得率は85%に達した。ブレークを許したのは、最初のサービスゲームの1度きりだった。
リターンゲームでも、相手のセカンドサーブ時のポイント獲得率72%と驚異的な数字が残った。リターンからの強烈なアタックでラリーを支配したことが分かる。
「(相手の)セカンドサーブには攻撃的に行っていたので、それが多分、相手にはプレッシャーだった。相手にしたら、サービスゲームはきつかったんじゃないか」
淡々とした口調にも、してやったり、という満足感がにじんだ。
ウィンブルドンの4回戦進出は2年連続4度目となる。以前は苦手にしていたが、昨年あたりから「芝のプレーが分かってきた」という。ショットの選択や組み立て、あるいはネットプレーなど、自分の特質を生かせる環境という手応えを得たのだ。
シードが壊滅に近い今大会だが。
今大会はノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラーのビッグ3は盤石だが、中位から下位までのシード選手が壊滅に近い状態だ。
昨年の準優勝者で第4シードのケビン・アンダーソン、第5シードのドミニク・ティーム、第6シードのアレクサンダー・ズベレフ、第7シードの新鋭ステファノス・チチパスらが次々と倒れる中、錦織はしっかり生き残っている。
16強が出そろった時点で、上位10シードで勝ち残っているのは、ビッグ3以外では錦織1人だ。下位選手に取りこぼさない、つまらない負け方をしない錦織の面目躍如といったところだ。