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甲子園の応援がコンサートになった!?
「ブラバン!甲子園ライブ」誕生秘話。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byKYODO TOKYO

posted2019/06/24 08:00

甲子園の応援がコンサートになった!?「ブラバン!甲子園ライブ」誕生秘話。<Number Web> photograph by KYODO TOKYO

舞台一杯に広がった吹奏楽、応援団などの出演者たち。観客と一体化した盛り上がりは、尋常ではない興奮を呼ぶ。

激戦を勝ち抜きNHKホールをゲット!

 昨年秋の終わり頃、キョードー東京から「来年の6月16日にNHKホールがとれた」と連絡があり、そこから出演を依頼したい学校を考えた。いかんせん人気のホールなので、そう簡単に会場を抑えられる訳ではない。事前に各校の都合を聞いた上で、「この日がいい」と希望を言って通るものではないため、日にちが決まってからのオファーとなってしまうのはやむを得ないことなのだ。この日も、20以上の公演希望の中から「ブラバン!甲子園ライブ」がホールを使えることになったと聞いている。

 吹奏楽部は、新入生が入部する4月は慌ただしく、5月になると、ゴールデンウィークなどにイベントや演奏会があって多忙な学校も多い。吹奏楽部にとって大事な大会であるコンクールのシーズンは、7月から10月まで。この期間は、まったくといっていいほど出演してもらえない。かといって、コンクールが終わった11月だと時期的にも盛り上がらない。

 6月16日は、「季節的にも吹奏楽部事情を考慮しても、ちょうどいいかも」と思ったのだが、試験や1年前から決まっている演奏会などで予定が合わず、残念ながら出演が叶わなかった学校もいくつかあった。会場ありきでオファーを始めるので、すべての学校のスケジュールが合うのは、正直とても難しい。あらためて、昨年の関西編であの6校の出演が実現したのは奇跡に近かったと、しみじみと思う。

「今年はぜひ”永遠のライバル対決”を」

 今回の第1試合は、東海大相模vs.横浜。

 

「今年はぜひ”永遠のライバル対決”をやりたい!」と即座に思い立ち、真っ先に両校にオファーした。横浜高校吹奏楽部顧問・立石洋介氏の娘さんの2人ともが東海大相模吹奏楽部で部長を務めていた……という話を以前より聞いていたこともあり、「何度もやった」という親子対決をNHKホールで再現してみたかったのだ。立石氏は「すごいことを考えますね(笑)」と快諾。東海大相模吹奏楽部顧問の矢島周司氏も、「いいですね!」と爆笑しながら即座にOK。ありがたいことに、ライバル対決はすんなりと決定した。

 第2試合の日大三vs.習志野は、2011年夏の甲子園で対決した間柄で、8年ぶりの応援対決となる。

 何度も甲子園に出場している日大三と、今年のセンバツで準優勝した習志野の2校による、「“応援あるある”トークライブ」や両校のオリジナル曲聴き比べが出来るとおもしろいかと思い、出演を依頼した。日大三吹奏楽部顧問の細谷尚央氏、習志野の石津谷治法氏ともに、日頃から熱心に応援に取り組んでいるお2人だ。

【次ページ】 トークの内容も工夫を凝らして……。

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