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甲子園の応援がコンサートになった!?
「ブラバン!甲子園ライブ」誕生秘話。

posted2019/06/24 08:00

 
甲子園の応援がコンサートになった!?「ブラバン!甲子園ライブ」誕生秘話。<Number Web> photograph by KYODO TOKYO

舞台一杯に広がった吹奏楽、応援団などの出演者たち。観客と一体化した盛り上がりは、尋常ではない興奮を呼ぶ。

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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KYODO TOKYO

 6月22日(土)の南北海道と沖縄を皮切りに、全国高校野球選手権大会の49代表を決める地方大会が幕を開けた。昨年100回を迎えた夏の甲子園。101回目となる今年も熱くなることは必至だが、年々注目が高まっているのが“音楽の力”で選手を後押しする、吹奏楽部の応援だ。

 吹奏楽部出身の筆者は、スタンドの応援を観に各地の球場へ足を運んでいるが、趣味がこうじて各校吹奏楽部や顧問に取材を重ね、応援に関するうんちくやあるあるネタ、応援曲の由来などを解説した『高校野球を100倍楽しむ ブラバン甲子園大研究』(文藝春秋)という本を出すまでにのめり込んでいる。

 2年前からは「ブラバン!甲子園ライブ」(主催/キョードー東京)というコンサートにも携わるようになり、3回目となる今回は、6月16日(日)、紅白歌合戦の会場としてもおなじみのNHKホールで開催。3600席のチケットは発売即ソールドアウトで、大盛況のうちに終了した。筆者の元には、開催から1週間ほど経った現在も、「高校生のパワーに圧倒された」「素晴らしいエンターテイメントだった」「青春の熱さに感動した」などとさまざまな感想が寄せられている。

 昨年秋から半年かけて準備を進め、観客を熱狂の渦に巻き込んだライブが開催されるまでには、数々の苦労があった。そもそも、このライブがスタートしたきっかけは、主催のキョードー東京・山崎芳人社長が拙著を読んでくれた2016年にさかのぼる。ライブエンターテイメント事業を手がける同社のスタッフを通じ、「この本を舞台化したい」と連絡があったのが同年冬のことだった。

野球が強くて吹奏楽部顧問が応援好き!

「舞台化といっても、何から手をつければいいんだろう……」と、まずは出演をお願いしたい学校をリストアップすることから始まった。いわゆる「吹奏楽の強豪校」であっても、肝心の野球が強くないとコンサートの趣旨とはかけ離れてしまう。

 これまでに球場で観てきた応援で、特に魅力的な学校であることと、吹奏楽部の顧問が応援好きであることを念頭におき、2017年春にNHKホールで開催した第1回目は、日大三(西東京)、横浜(神奈川)、拓大紅陵(千葉)、浦和学院(埼玉)の4校に出演してもらった。

 翌2018年は、夏の甲子園の組み合わせ抽選が行われるフェスティバルホール(大阪)に会場を移し、関西編を開催。大阪桐蔭(大阪)、天理(奈良)、智辯学園(奈良)、智辯和歌山(和歌山)、龍谷大平安(京都)、そして、長年にわたり沖縄代表校の友情応援を担当する市立尼崎(兵庫)が出演した。そして3回目となる今回、再びNHKホールに戻ってきたのだ。

【次ページ】 激戦を勝ち抜きNHKホールをゲット!

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