欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
酒井宏樹加入やエリクセン放出の噂。
今季の移籍市場はトッテナムが主役?
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/06/24 10:30
「新しい挑戦」を示唆するクリスティアン・エリクセン。彼の去就はトッテナムの来季陣容に大きな影響を与える。
守護神ロリスの後釜問題。
センターバックはアルデルバイレルトの去就こそ微妙だが、ベルトンゲン、ダビンソン・サンチェス、フアン・フォイトを擁している。ここにリクルート部門が強力にプッシュするノリッジ・シティのベン・ゴッドフリー、あるいはサンプドリアのヨアキム・アンデルセンを獲得できれば、ローテーションは可能だ。センターバックは、喫緊に解決すべきポジションではない。
GKはどうなるのだろうか。
ロリスは好不調の波が激しくなってきた。控えのミシェル・フォルムは退団した。ポチェッティーノは信頼を寄せるが、パウロ・ガッサニーガは凡庸だ。ラツィオのトマス・ストラコシャに興味津々と伝えられるものの、英国の就労ビザがおりるとは思えない。
イングランド代表のジャック・バトランド(ストーク)、もしくはバーンリーからのステップアップを目論むニック・ポープにターゲットを変更する、これが妥当なプランだ。
エリクセンは“欲しがり屋”のもとへ?
最も注意すべきはクリスティアン・エリクセンである。12アシストはリーグ3位で、4シーズン連続の二桁を記録。ハリー・ケインと並ぶ大看板のもとに、レアル・マドリーの魔の手が伸びてきた。“なんでも欲しがる”ジネディーヌ・ジダン監督は、すでに獲得したエデン・アザールに加え、エリクセンとポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)まで欲しているという。無茶苦茶だ。
さて、エリクセンは「新しい場所で新しいチャレンジがしたい」と移籍を示唆している。アヤックスから加入して6年、エリクセンはトッテナムに多大な貢献をしてきた。チャンピオンズリーグ出場権の獲得も準優勝も、彼なくしてはありえなかった。ハリー・ケインの成長もアシストした。まさに功労者である。
ダニ・セバジョスやギャレス・ベイルの譲渡など、マドリーが提案したいくつかのプランもトッテナムにすれば認められるはずがない。
ただ、6年という年月がエリクセンの達成感を刺激し、「新しい場所で新しいチャレンジ」という結論に至ったのだろう。ワールドクラスのMFがトッテナムに別れを告げる確率は非常に高い。