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酒井宏樹加入やエリクセン放出の噂。
今季の移籍市場はトッテナムが主役?
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/06/24 10:30
「新しい挑戦」を示唆するクリスティアン・エリクセン。彼の去就はトッテナムの来季陣容に大きな影響を与える。
難航する後継者探し、会長は腕の見せ所。
エリクセンの放出は緊急事態である。ベティスのジョバニ・ロセルソとは合意寸前といわれ、モナコのユーリ・ティーレマンス(2018-19シーズンはレスターにレンタル)にも接触を試みたようだが、彼らはエリクセンに匹敵する器ではない。「あの程度で満足してもらっては困る」とポチェッティーノが地団太を踏むデル・アリも、カッとなりやすい性格を含めて改善の余地は多々ある。
いや、エリクセンと同等、もしくは彼をしのぐ選手が見当たらないのだ。
しかし、エリクセンとの契約は2020年6月末日までだ。フリートランスファーで移籍されては経済的ダメージも被る。したがって、商売上手のリービー会長が潮時と考えていたとしても不思議ではない。
ギャレス・ベイルとルカ・モドリッチをマドリーに放出した際にも数多くの条件を突きつけ、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長を困らせた経緯もある。エリクセン離脱はゲームプランの変更を意味するが、数年後のトッテナムにとって大きなプラスになりうる条件を引き出せるか。リービー会長は腕の見せどころだ。
エリクセン次第で“第一希望”の資金確保も。
2018-19シーズンと異なり、トッテナムは今夏の市場にそれなりの金額を投入する予定だ。エリクセン関連のビジネスがまとまれば、ポチェッティーノの第一希望とされるタンギ・ヌドンベレ(リヨン)を獲得する資金が確保できる。
外交辞令が含まれていたとしても、「トッテナムはビッグクラブ。ポチェッティーノ監督のもとでプレーしたい」とヌドンベレ本人も移籍には前向きだ。
やはり、チャンピオンズリーグ準優勝という実績が、準々決勝でシティを破った事実が、トッテナムの評価を上げている。リヨンのジャン・ミシェル・オラス会長も、「プレミアリーグから適正な金額のオファーが届けば真剣に検討する」と、トッテナムを牽制した。