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今年のドラフトは大学生捕手が目玉?
北海道には再来年の1位候補も登場。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2019/06/20 11:40
強肩とキャッチングの評価が高い東海大4年・海野隆司捕手。キャッチャーに悩む球団は喉から手が出るほど欲しい存在だろう。
星槎道都大・松田は津軽海峡を渡る?
さらに今年、早くも再来年の「ドラフト1位」を予感させるような捕手が、北海道の大学から現れたから驚いた。北海道の大学からドラフト1位で「捕手」が指名されるとしたら、おそらくドラフト史上初めてだろう。
かつて、青森までは北上している。2001年のドラフト会議で、青森大学からあの細川亨捕手が1位指名に相当する「自由競争枠」で西武ライオンズに入団しているのだ。「ドラ1捕手」の栄誉が津軽海峡を渡るかどうか、そのカギを握るのが星槎道都大学・松田彪瑠捕手(2年・172cm88kg・右投左打・釧路江南高)。
抜群のディフェンス能力とスイングのヘッドスピード。捕手になるために生まれてきたような、なんともいい雰囲気を併せ持った“逸材”である。
猛烈ショーバンもミットの中に。
猛烈なショートバウンドのタテの変化球を完璧に前に止められる捕手は、東海大・海野捕手のようにたまにはいるが、この星槎道都大・松田捕手はその猛烈ショートバウンドをミットの中に納めてしまう。
東海大・海野捕手のキャッチングにも感心させられたが、松田捕手の技術には驚かされた。それも「どーってことないですよ……」って感じで、さりげなくミットの中に捕球する。
打てば、猛烈な打球スピードだし、鋭い変化球にとっさに反応して内野の向こうに落としてみせる。もちろん、腰を割ったままの姿勢からまっすぐな軌道の送球を二塁ベースの上にポンと置ける強肩である。
まったくの「先物買い」だが、なんなら、今年の「日米大学野球」の一員に加えて、今から“研修”させてあげたくなるような才能の持ち主だ。