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サイクル安打に菊池からも本塁打。
大谷翔平に“天敵候補”はいるのか。
posted2019/06/15 08:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
エンゼルス大谷翔平とマリナーズ菊池雄星の「花巻東対決」が6月8日(日本時間9日)、エンゼルスタジアムで実現した。
日本だけでなく、米国メディアも注目した対戦は、大谷が本塁打を含む3打数2安打と活躍し、ひとまずメジャーでの第1ラウンドは終わった。
先輩左腕の菊池を攻略し、脚光を浴びた一方で、このマリナーズとの3連戦では、大谷の新たな課題も浮き彫りになった。
“対菊池”以外は無安打。
今回、マリナーズの先発左腕3人が登板(ウェイド・ルブランは、オープナー後の2回から)した3試合すべてに、大谷は「3番DH」で出場した。
その結果、菊池との対戦以外では、2試合とも無安打と完全に沈黙した。
7日のマルコ・ゴンザレスとの対戦では、3打数無安打1三振。タイミングを崩され、引っかけたゴロなどで凡退した。開幕投手も務めた27歳左腕との通算対戦成績は、7打数無安打3三振となった。
9日のルブラン(元西武)に対しては、2打席連続で空振り三振。日本ハム時代の対戦では本塁打を放ったものの、メジャー移籍後は通算8打数無安打6三振と、またしてもバットが空を切る光景が繰り返された。
元来、大谷は日本時代から左腕を苦手にしてきたわけではない。昨季こそ、右投手に対して打率3割1分3厘、左投手に2割2分2厘と明らかな違いが出たものの、今季は右投手に2割4分7厘、左投手に2割5分(6月10日現在)と、ほぼ同じような成績を残してきた。
その一方で、ゴンザレスとルブランとの対戦では、少なくとも大谷がてこずる一因が見え隠れしていた。2人とも、快速球で三振の山を築くようなパワー投手ではない。速球は145キロ前後ながら、ツーシーム、カットボールを巧みに使い分ける。カーブ、スライダーに加え、最大の武器はチェンジアップ。このチェンジアップを左打者の内角にも正確に投げ分けられるのが、2人の持ち味でもある。