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サイクル安打に菊池からも本塁打。
大谷翔平に“天敵候補”はいるのか。
 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byGetty Images

posted2019/06/15 08:00

サイクル安打に菊池からも本塁打。大谷翔平に“天敵候補”はいるのか。<Number Web> photograph by Getty Images

花巻東高の先輩である菊池からホームランを放った大谷だが、ゴンザレス、ルブランには苦戦を強いられた。

大谷の特徴を利用する左腕。

 思うような打撃をさせなかったゴンザレスは、淡々と振り返った。

「彼はスイングが大きいから、ボールを動かしてスピードを変えるようにしたんだ」

 本来、三振を取るタイプでないにもかかわらず、大谷を完璧に封じているルブランは、秘策を聞かれるとニヤリと笑った。

「彼はいい打者。これからも対戦するんだから、そんなことは言えないよ」

 それでも、自分の投球スタイルの基本に関しては、ハッキリと言った。

「右打者でも左打者でも内角を攻めないといけない。そこはアグレッシブに行くように心掛けているよ」

 バットに当てに行くようなスイングでなく、ギリギリまで引きつけて豪快に振り抜くのが大谷のスタイル。その特徴を逆利用し、内角へのチェンジアップを意識させながら、ボールを微妙に動かしてタイミングを外す。各球種にスピード差が少ないことも、対応を難しくさせている理由だろう。

「大谷封じ」にどう立ち向かうか。

 無論、2人の配球パターンが同じはずはなく、現時点でのサンプル(対戦回数)としては少ないものの、ある一定の共通点が多いことも明確になった。

 同地区の先発ローテーション投手でもあり、今後も対戦する機会は多いだけに、大谷にすれば、このまま無策というわけにはいかない。大谷の底力からも、いずれ2人の技巧派左腕を打ち砕くのは、時間の問題なのかもしれない。

 ただ、厄介なことに、今は全球団が多様かつ膨大なデータを収集し、フル活用している時代。今後、ゴンザレスとルブランの投球が、他球団にも「大谷封じ」のモデルケースとして汎用される可能性は極めて高い。

 エンゼルスのブラッド・オースマス監督は、大谷の復帰時、相手先発投手の左右に関わらず、基本的に毎試合、大谷をDHで起用する方針を明言した。

【次ページ】 日本人メジャー初のサイクル安打。

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