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ホームランは、なぜ増えた?<MLB編>
感性よりも統計が重視される時代。

posted2019/06/15 11:30

 
ホームランは、なぜ増えた?<MLB編>感性よりも統計が重視される時代。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

(左)イエリッチは、史上6人目の開幕から4戦連発とロケットスタートを切った(右)ベリンジャーは、4月までの史上最多タイ記録となる14本塁打を放つ。

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小西慶三

小西慶三Kezo Konishi

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Yukihito Taguchi

 ホームランが増えている。2019年、公式戦の約3分の1を消化した6月3日時点で1試合平均1.34本以上の本塁打が記録されている。過去最高をマークした2017年(1.26本)比で約7%増だ。

 メジャーリーグでホームランが市民権を得たのはベーブ・ルースが台頭した1920年代だが、それでも同年代で最も高かったのは1929年の0.55だった。平均1本台の壁を初めて越えたのが1987年。半世紀以上でやっと0.5本増加した平均ホームラン数が、2010年からの約10年で約41%アップした。10年単位での伸び率では1990年(0.79本)から1999年(1.14)の44%に匹敵し、しかもその量産ペースがかつてないレベルにある。

 何が背景にあるのか。

 5月半ばのT-モバイル・パーク記者席。某ア・リーグ球団の先乗りスカウトが「ボールが飛びやすくなっている。間違いないね」と声をひそめながら言う。このスカウトは毎春、メジャーキャンプ中に打撃投手を務めている。

「ボールを握ったときの感触が違うんだ。この何年か、少しずつ(ボール表面が)固くなっている。縫い目の部分が前に比べてギュッと締まった感じと言えばいいのかな」

 打球音、飛距離も明らかに変化したと同スカウトは感じている。メジャーリーグは今のところ公式球について「変更していない」と表明しているため、証言の真偽は定かではない。しかし、去年あたりからバックネット裏や各球場プレスボックスで同じような話を何度となく耳にする。2年ほど前には、選手のサイン入りグッズなどを扱う専門業者が「ボールの革質が変わってインクが滲むようになった」とこぼしていた。

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