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バルサの「9番」が隠す野性味。
水色を纏うスアレスは変貌する。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byGetty Images
posted2019/06/16 11:00
バルサではメッシとのコンビでゴールを量産するスアレス。ウルグアイ代表ではカバーニとのコンビで猛威を振るう。
コパ・アメリカを見据えた手術。
まだシーズン中にもかかわらず、スアレスが膝の関節鏡手術を決断したのは、その後に控えるコパ・アメリカを見据えていたからだ。実際、現地時間6月7日に行なわれたパナマ代表との親善試合で、手術からわずか28日でピッチに戻った彼は、いきなり直接FKからゴールを奪い、右膝の不安を払拭している。
「フィジカルが戻ってきたことに満足している。コパ・アメリカの初戦(エクアドル戦/日本時間6月17日)まであと10日ほど。ハードワークをすれば、ちょうど間に合う頃に(開催国の)ブラジルに着けると分かっていたよ」
大会史上最多となる通算16回目の南米制覇を目指す古豪ウルグアイにとって、伝統の堅守速攻を高い確率でゴールに結び付けてくれるエースの復活は、これ以上ない明るい材料だ。
昨年10月の親善試合で、打ち合いの末にウルグアイに勝利(4-3)した日本だが、コパ・アメリカのグループステージ第2戦でぶつかる今回の相手は、当時とは別のチームと考えたほうがいい。
なぜなら10月の試合には、スアレスがいなかったからだ。ロシアW杯でも対戦相手の脅威となったカバーニとの阿吽のコンビネーションプレーも、そしてなにより、野性を剥き出しにしたスアレスというストライカーの恐ろしさも、彼らは目の当たりにしていないのだから。