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植田直通、コパ・アメリカ闘争宣言。
「うまいだけじゃ、絶対に勝てない」
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2019/06/12 17:00
東京五輪世代を中心としたメンバー構成で挑むコパ・アメリカ。植田直通はDF陣の中で最年長となる。
自宅で観戦したアジアカップ。
今年2月1日、自宅のテレビの前で味わった悔しさと無力感は忘れられない。画面には、アジアカップ決勝で敗れ、肩を落とす日本代表選手たちが映し出されていた。
「知っている選手もたくさんいますし、代表のサポーターの1人として応援していました。ただ、やっぱり悔しかったですね。なんで自分がそこにいないんだろうという思いはありましたし、自分が日本のために何も出来ていないことがすごく悔しかった」
悔しいときこそ、焦って何かを変えるのではなく、「自分がやってきたことを信じて、貫く」のが、植田直通の流儀だ。リーグ戦終盤からは先発を外れる試合も続いたが、下位プレーオフでは再びスタメンを奪取。4月6日のムスクロン戦では豪快なヘディングで、欧州での初ゴールも決めた。
「ここでチャンスが来たか」
そんな彼に、吉報が届く。コパ・アメリカに臨む日本代表に招集された。
「ここでチャンスが来たか、ここで結果を残すしかないなと思いましたね。年代別代表も含めて、今までのサッカー人生でこれだけ代表から離れたことはなかったので。でも、クラブでしっかりとやり続けていれば、必ず呼ばれると信じていました。だからこそ、今回の代表にかける気持ちは強いです。
コパ・アメリカは南米のすごいメンバーが、本気で臨んでくる。親善試合とは、気持ちが違いますから。本気のアレクシス・サンチェス(チリ)、スアレス、カバーニ(ともにウルグアイ)と闘える。最高ですよね。この経験は、絶対に大事にしないといけない。
国際大会って、うまいだけじゃ絶対に勝てないと、僕は考えています。泥臭さであったり、強さを出すのが僕の役割。そういう選手が必要だと示したいですし、日本のみなさんも僕がバチバチ闘う姿を期待していると思います。相手が有名選手だからと言ってリスペクトしすぎることなく、ゴールを守るために何でもやりたいですね」