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カナダでサッカーのプロリーグ誕生!
MLSよりも面白い制度で注目集まる。
posted2019/06/02 11:00
text by
ブラディミール・クレセンゾVladimir Crescenzo
photograph by
Canadian Premier League
この4月27日、カナダにおける初めてのプロリーグとなる「カナディアン・プレミアリーグ(CPL)」が開幕したのを、皆さんはご存じだろうか。
7チーム(カバルリーFC、FCエドモントン、HFXワンダラーズ、バラーFC、ヨーク9FC、フォージFC、パシフィックFC)によるスタート。第1シーズンは7月1日まで続く。
プロリーグの創設は、2026年に共同開催国となるワールドカップに照準を合わせてのことである。いったいカナダは、新リーグにどんな展望を抱いているのか。『フランス・フットボール』誌4月30日発売号でブラディミール・クレセンゾ記者がレポートする。
監修:田村修一
国際的に活躍できなかったカナダ代表チーム。
1986年6月1日、カナダは初出場を果たしたワールドカップ・メキシコ大会初戦のフランス戦に0対1と敗れた。それから8日後までに、ハンガリー(0対2)とソ連(0対2)を相手にさらに敗戦を重ね、3連敗で大会を後にしたのだった。
以降、カナダは1度として本大会にコマを進めていない。ところが3年後のカタール大会がどうなるにせよ、続く2026年大会をアメリカ、メキシコとともに共同開催するカナダは、7年後の大会出場がほぼ保証されているのである。
そこでいったいカナダは、何をしようというのか?
'86年の失敗を繰り返さないためにカナダが選んだのは根本的な対策――プロリーグの創設であった。
新たに設立された「カナディアン・プレミアリーグ(CPL)」の目的は、地元サッカーの活性化に他ならない。
「カナダのチームは自分の居場所を確保しづらかったんだ」とFCエドモントンに所属し、CPLのおかげでNASL(アメリカ2部リーグに相当)から地元復帰を果たしたフィリップ・リンコート=ジョセフは言う。