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カナダでサッカーのプロリーグ誕生!
MLSよりも面白い制度で注目集まる。
text by
ブラディミール・クレセンゾVladimir Crescenzo
photograph byCanadian Premier League
posted2019/06/02 11:00
CPLに所属するクラブを代表して、その各クラブの選手たちが参加したポスター。
降格制度があるプロリーグは北米初!
NBAやNFLなど降格のない固定したリーグが特徴である北米大陸にあって、降格制度の導入はスポーツの文化革命であるといえる。
同時にそれは、MLSとは一線を画するCPLの志向性でもある。
「MLSでは勝っても負けてもそう大差がないから、ときにモチベーションの維持が難しいことがある」と、'17~'18年シーズンをニューヨークシティFCで過ごしたクワメ・アウアは言う。
「負けても次の年に頑張ればいい。それだけのことだから……」
降格の危機は、選手ばかりでなくサポーターの危機意識も煽り立てる。
カナダのサッカーファンの多くが期待。
年の初めにある調査会社が実施した調査によれば、カナダのサッカーファンの60%が国内リーグの創設によりMLSから離れていくと答えている。
「今はどこもクラブの旗で溢れている。レストランの中にも飾られている」と、HFXワンダラーズに所属するザカリー・スクンダは言う。ワンダラーズは大西洋岸のノバスコシア州ハリファックスに本拠を置くクラブである。
一方、太平洋岸のパシフィックFCに所属するビクトル・ブラスコも述べている。
「街中でよく声をかけられるよ。何が面白いか、何に興奮しているのかを、熱く語りかけてくるんだ」
メディアの関心も高まっている。
総合メディア企業の「メディアプロ」は20~21年シーズンから10年契約で、1部・2部すべての試合の国内・国際放映権を獲得した。その中間の年にあたる2026年は、カナダのワールドカップ初出場から40周年である。それまでにどれだけサッカーがカナダに根づくのか。今後に注目したい。