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最終節までもつれたセリエAのCL争い。
地方クラブの星、アタランタが初切符。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2019/05/30 17:30

最終節までもつれたセリエAのCL争い。地方クラブの星、アタランタが初切符。<Number Web> photograph by Getty Images

クラブ史上初のCL出場を決め、サポーターと喜び合う選手たち。育成力と2016年から指揮を執るガスペリーニの哲学が融合した。

「あと何分だ?」指揮官もウロウロ。

 65分、途中出場したMFマリオ・パシャリッチがダメ押しのヘディング弾を決めた。華麗なターンでマークを外し、ペナルティエリアの左側からきれいな浮き球クロスを放ったのは主将ゴメスの円熟の左足だった。

“ホラよ、決めやがれ”

 ぶっきらぼうでも主将の蹴るボールの軌道はとてもやさしい。

 後半アディショナルタイムに入ると、指揮官ガスペリーニはウロウロとベンチ前を忙しなく歩きまわり、「あと何分だ?」とタイムキーパーに何度も何度も確認した。

 試合終了の笛が鳴り、アタランタの長かった戦いはついにゴールを迎えた。

 前半の途中から降り始めた雨は大降りになっていた。それでも、彼らの歓喜の宴を止められるはずがなかった。

CL改革で揺れる欧州サッカー界。

 今、ヨーロッパのサッカー界では新たな“階級闘争”が起きている。

 5月に入り、UEFAと欧州ビッグクラブのサロン的団体であるECAが、2024年からのCLの開催フォーマットの大幅変更を示唆した。レアル・マドリーやバルセロナ、プレミア勢などから成るECAの代表を務めているのは、ユベントスのアニェッリ会長だ。

 大会の新方式案を大雑把に述べると、5大リーグのビッグクラブを特権優遇し、大会への無条件出場を確約しながら、より収益の見込める週末開催を謳っている。もし実行されれば、伝統的な各国リーグ戦が売上げや人気の面で今以上に大打撃を受けることは確実だ。

 これを受けて、UEFA加盟55カ国の各サッカー連盟やリーグ機構は一斉に“エリートクラブの横暴許すまじ”と猛反発。彼らの駆け引きを見ていると、まるで貴族と平民による階級闘争そのものだ。

 欧州カップ戦は、数年先にその姿を大きく変えるかもしれない。

 もし、ECAの大会改革案がそのまま通れば、アタランタのようなクラブがCLに出場するチャンスは、これまで以上に狭まるだろう。

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