セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
最終節までもつれたセリエAのCL争い。
地方クラブの星、アタランタが初切符。
posted2019/05/30 17:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
育成王国として知られるアタランタが、ついに欧州最高峰の舞台への切符をつかんだ。
26日に行われたセリエA最終節で、サッスオーロに3-1の逆転勝ちを納めたアタランタは、リーグ戦の最終順位をユベントス、ナポリに次ぐ3位で確定させ、来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場権を得た。
「100年を越す歴史を持つアタランタにとって、CL出場は初めてつかんだ大きな到達点だ。昨季はELに出られたが、今度はイタリアサッカー界の代表としてCLに出るんだ。本当に誇らしいことだよ」
試合後の監督ジャン・ピエロ・ガスペリーニは喉を潰してかすれ声だった。破顔一笑だった。
最終節までもつれたCL出場権争い。
人口12万人の小さな町のクラブがCLへ。
創設112年目のプロビンチャーレ(=地方クラブ)の夢が結実した。
最終節を控えた順位は3位アタランタ(勝点66)、4位インテル(同)、5位ミラン(勝点65)で、三つ巴の異様な緊張感がそれぞれの開催地に漂っていた。
アタランタは本来地元ベルガモで最終戦を戦うはずだったが、約200km離れた町レッジョ・エミリアでの試合を余儀なくされた。本拠地「アトレーティ・アッズーリ・ディターリア」の解体工事が今月6日から始まったために、彼らはホーム開催のラスト2戦を行う試合会場を探さねばならなかったのだ。
縁深いサッスオーロが“間借り”要請に応じ、本拠地「マペイ・スタジアム」での最終節は本来のホームチームがアウェー扱いになる奇妙な形で行われた。
インテルやミランの結果如何に関わらず、アタランタは勝ちさえすれば無条件に出場が決まる。
相手のサッスオーロは早々と残留を確定させており、そう難しい相手でもない。勝ちさえすればいい。