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世界的なサッカーバブルは頭打ち?
プレミア放映権が下落、Jの影響は。
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph byAFLO
posted2019/05/30 11:25
世界で最も華やかなプレミアリーグ。しかし2019-20シーズンから放映権料が約10%の減額となるとは驚きだ。
Jの放映権料はバブル状態?
そのうえでプロモーションを仕掛けてユーザー獲得を推進していく。それが、イタリアと日本におけるDAZNの現段階の戦略フェーズだと言えるでしょう。さらには、これまで伊セリエAやJリーグをテレビ放送で見ていた人たちを、インターネットを介した放送での視聴に切り替えさせ、従前より多くの視聴者を獲得する。
そして、DAZNのビジネスモデルがしっかりと成立するのだということを証明するところまでを、1つのミッションにしています。
言い換えれば、DAZNという新プレーヤーの登場によって放映権に高い値がついている伊セリエアAとJリーグは、ビジネスモデルの証明のための先行投資を惜しまないDAZNによって引き起こされた、ある種の“バブル”の恩恵を受けている状態であり、あくまで期間限定の高騰だと考えるべきです。
放映権料が頭打ちの英プレミアリーグと、放映権料の増加が数年先まで続くJリーグというある種の“歪み”は、こうして起こっているわけです。
こうした状況を受けて、Jリーグはどんな戦略に基づき、どんな選手を欧州から呼び寄せるべきなのか。そのあたりのことについては、次回、考察を深めていきたいと思います。
(構成:日比野恭三)
(Jリーグでも獲れるスターもいっぱいいる? 後編はこちら)