話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
調子乗り世代の顔、安田理大。
新天地・千葉でもギラギラする。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/05/29 18:00
9チーム目となる千葉に加入した安田理大。東京V戦では出場はなかったが、ベンチからチームを鼓舞した。
「俺、ポリバレントやからね」
本職のポジションは、サイドバック。
だが、3バックのウイングバック、しかも左右両方こなせるし、ボランチでもプレーできる。安田曰く「センターバックとFWとGK以外ならどこでもやれる」という。
「俺、ポリバレントやからね。それってオシムさんが最初やし、千葉発祥やん」
懸念だったのは、コンディションである。
昨季、新潟を退団後、今年の春のキャンプはいわゆる自主トレだった。その後も個人で練習を続けてきていたが、それではコンディションを上げるのに限界がある。だが、驚いたのは入団後、すぐにベンチメンバーに入ったことだった。
「コンディションはいいよ。新潟を退団した後、今年は個人でやっていたんで、もうちょい戻るのに時間かかるかなって思ったけど、意外と早く戻ってこれた。試合勘は、経験でカバーできるしね。
まぁ今はケガ人が戻って来て、ベンチメンバーに入るのも厳しくなってきているけど、自分の調子が上がってきているからベンチに入れていると思うんで、あとは試合に出るチャンスを待つだけやと思う」
ピッチ外でもチームを鼓舞。
おとなしい選手が多いチームにあって安田のように気持ちが強く、熱い選手が入ることはチームにとってはプラスだ。技術、コンディション(体力)、戦術とともに気持ちがなければJ1昇格に向けてギリギリの戦いに勝つことは難しいが、精神面をピッチでフォローしてくれる選手がなかなかいない。
安田は、その役を担う。
ピッチでは、豊富な運動量とアグレッシブなプレーでチームをリードする。背中で語るというよりも激しいプレーと声で選手を鼓舞する。
ピッチ外では、例えば東京V戦では試合中、暑さのために給水時間が設けられた際、自らサイドラインに立ち、選手にペットボトルを渡して鼓舞していた。後半は追いつかれた後、ケガをした選手が出てプレーが途切れると選手にペットボトルを渡し、アドバイスを送っていた。
一見、誰にでもできることのようだが実際にベンチから出てきて行動できる選手は少ない。