リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
無冠レアル、グリーズマン退団……。
リーガで大改造が必要なクラブは?
posted2019/05/25 11:30
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Uniphoto Press
各クラブの計画性や交渉力、懐具合を眺め比べて楽しむ季節がやってきた。
今オフの見所は、なんといってもチームの大改造を余儀なくされているレアル・マドリー、セビージャ、アトレティコ・マドリーの動向だろう。
優勝したバルセロナと勝点19差の3位、クラブ史上2番目に酷い18敗(リーガ12敗、国王杯2敗、CL3敗、UEFAスーパーカップ1敗)を記録して今季を終えたR・マドリーの立て直しには注目が集まり、最終節のベティス戦前日の記者会見ではジダンに放出候補や獲得候補に関する質問ばかりが飛んでいた。
「明日の試合についてはまだ何も聞かれていない」とジダンがぼやいたほどだった。
R・マドリーのチーム作りといえば、ペレス会長の介入が気になるところ。5月中旬にはジダンのお気に入りとされてきたGKナバスをクラブ首脳陣が戦力外とみなし、ジダンが「仕方なく」本人に伝えたと報じられている。
しかし、「決定権は自分にある」とジダンは明言した。
「私は監督。好きなようにやらせてもらう。それができないのなら辞める。選手の獲得は担当者と一緒にやるけれど、誰が試合に出るかを決めるのは自分だ」
セビージャは敏腕SDが復帰。
セビージャは、今年3月にローマのスポーツディレクターを辞して戻ってきたモンチがチームを立て直す。
今季のセビージャには一時首位に立つほどの勢いがあったが、やがてCL出場圏内から転落し、監督を代えてなんとか6位で来季のEL出場権を勝ち取った。
そんな右肩下がりだったシーズンにサポーターが不満を抱いていることは明白。そこでモンチは「クラブを成長させる手段でもある」CL出場をあらためて目指し、監督選びから始めるつもりでいる。
監督候補に名前が挙がっているのは、エウゼビオ・ディフランチェスコ(前ローマ)、ルディ・ガルシア(現マルセイユ)、ホセ・ボルダラス(現ヘタフェ)、ステファノ・ピオリ(前フィオレンティーナ)、ローラン・ブラン(元パリSG)…… 。